「錨の正式名称って何?」「錨の部位ごとの名前が知りたい」
そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
錨(いかり)は、船を海底に固定するための重要な装備で、英語では “anchor(アンカー)” と呼ばれます。
一口に錨といっても、形状や用途に応じてさまざまな名称・部位・種類が存在します。
この記事では、
- 錨の正式名称と英語表記
- 錨の各部位の名前と役割
- 錨の種類と特徴
を図解付きでわかりやすく解説します。
錨の正式名称は「アンカー(Anchor)」
錨の正式名称
- 日本語名:錨(いかり)
- 英語名:anchor(アンカー)
どちらも同じ意味で、「船を一定の場所に固定するための装置」を指します。
語源
「anchor(アンカー)」はギリシャ語の“ankura(アンクラ)”が語源で、古代から“船を止めるための鉄具”を意味して使われていました。
関連用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 投錨(とうびょう/アンカリング) | 錨を下ろすこと |
| 起錨(きびょう/ウェイ・アンカー) | 錨を引き上げること |
| 錨鎖(いかりくさり/アンカーチェーン) | 錨と船をつなぐ鎖のこと |
つまり、錨の名称としては「錨(いかり)」が和名、「anchor(アンカー)」が国際的な正式名称です。
錨の各部位の名称と役割
錨には複数の部位があり、それぞれに名称と役割があります。
代表的な「ストック付きアンカー(ホールアンカー)」を例に説明します。
錨の主な部位名称一覧
| 部位名 | 読み方 | 役割 |
|---|---|---|
| アンカーヘッド(錨頭) | あんかーへっど | 錨全体の先端部。海底に最初に触れる部分。 |
| ストック(横棒) | すとっく | 錨が横倒れしないように姿勢を安定させる棒。 |
| アーム | あーむ | 海底を掘り、船を固定するための爪の部分。 |
| フルーク(爪) | ふるーく | 実際に海底に食い込んで固定する部分。 |
| クラウン | くらうん | アームとシャンクの接合部。力を分散する。 |
| シャンク(軸) | しゃんく | 錨の中心部で、船の鎖とつながる主要部分。 |
| リング(アンカーリング) | りんぐ | 錨鎖を通して船とつなぐ輪。 |
このように、錨は見た目よりも複雑な構造をしており、それぞれの部位が連携して船を安定させています。
錨の種類と名称一覧【形状別】
錨には、用途や構造に応じてさまざまな種類があります。
以下は代表的な錨の名称と特徴です。
| 名称 | 特徴・用途 | 備考 |
|---|---|---|
| ストックアンカー(ホールアンカー) | 横棒付きの古典的な錨。伝統的で装飾にも使われる。 | 昔ながらの「錨マーク」の形。 |
| ストックレスアンカー | 現代の船舶で最も多いタイプ。ストックがなく収納しやすい。 | 大型船・商船に使用。 |
| ダンフォースアンカー | 軽量で携帯性が高い。ヨットや小型船向け。 | フルークが広く効率的。 |
| ブルースアンカー(クローアンカー) | 岩場でも効きが良い。釣り船やレジャーボートに人気。 | 爪が3つの形状。 |
| プラウアンカー(デルタアンカー) | シャベル型で多用途。ヨット・プレジャーボートに広く採用。 | 海底が砂でも安定性あり。 |
| マッシュルームアンカー | 傘状で泥底・湖底用。固定力が高く養殖などにも利用。 | 海底に沈み込むタイプ。 |
錨と一口に言っても、用途・地形・船の大きさによって選ぶべき名称(種類)は異なります。
錨の名称が使われる関連用語・表現
航海・船舶の世界では、「錨」という言葉が含まれた専門用語が多く存在します。
名称の理解を深めるために、いくつか代表的な用語を紹介します。
| 用語 | 読み方・意味 |
|---|---|
| 錨地(びょうち) | 船が錨を下ろして停泊する場所(=アンカレッジ) |
| 投錨(とうびょう) | 錨を下ろす行為。英語では“to drop an anchor” |
| 起錨(きびょう) | 錨を上げる行為。“to weigh anchor” |
| 錨鎖(いかりくさり) | 錨と船をつなぐ鉄鎖。“anchor chain” |
| 錨泊(びょうはく) | 錨を下ろして停泊している状態。“anchorage” |
このように、「錨」は単体の名称だけでなく、航海全体を支えるキーワードでもあります。
錨の名称がシンボルとして使われる理由
錨は「船を留める」ことから、安定・信頼・希望の象徴としても広く使われています。
そのため、ロゴマークや紋章・アクセサリーでも「錨の形」が人気です。
錨モチーフの象徴的意味
- 希望(Hope) … 荒波の中でも未来を信じて留まる力
- 安定(Stability) … 困難に流されず地に足をつける象徴
- 絆(Connection) … 船(人生)と海(社会)をつなぐ象徴
こうした意味から、「錨マーク」は海運会社や海上自衛隊のエンブレムにも使われています。
まとめ:錨の名称を知れば、海の仕組みが見えてくる
錨の名称は、単に“いかり”のことではなく、構造・用途・文化的背景までを含む、奥の深い言葉です。
- 正式名称:錨(いかり)/英語表記:anchor(アンカー)
- 部位名称:シャンク・アーム・フルーク・ストックなど
- 種類名称:ストックレスアンカー、ダンフォースアンカーなど
船の安全を支える「錨」を理解すれば、海の旅やマリン文化の見方もぐっと広がります。
以上、錨の名称についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。







