「錨泊(びょうはく)ってどういう意味?」「停泊とどう違うの?」
海や船に関する用語を調べていて、そんな疑問を持った方も多いかもしれません。
錨泊とは、船が錨(いかり)を下ろして海底に固定され、一か所にとどまることを指します。
“錨を使っての停泊”という点が「碇泊(ていはく)」など他の用語との違いです。
この記事では、
- 錨泊の正しい読み方と意味
- 錨泊が行われる場面・メリット・注意点
- 錨泊と類似用語との違い
をわかりやすく解説します。
目次
錨泊とは?読み方と基本的な意味
- 読み方:びょうはく(「錨泊」)
- 意味:船が錨(いかり)を下ろして、その場にとどまること。
つまり、錨泊とは「船が海底に錨を下ろして停泊している状態」です。
この状態になると、船は岸壁や桟橋につながれていない場合でも、錨によってその位置を保つことができます。
錨泊が行われる場面・用途
錨泊は、次のようなシーンで用いられます。
- 港外・湾内で岸壁が使えない/岸壁に接岸できない状況
- 一時的停泊・船舶の整備・浮体設備の設置時
- 海域観測・工事作業・浮標設置など海上作業中
- クルーズ船・貨物船が乗客・貨物の乗降前後に待機する場合
このように、岸壁への接岸が難しい場面や、船が自由にその場に“とどまる”必要があるときに、錨泊が選ばれます。
錨泊のメリットと注意点
メリット
- 岸壁などのインフラを使わずに船を停泊できる
- 錨を落とせば船の位置を固定でき、浮遊・流失を防げる
- 狭い湾内・貨物ターミナルなどでの柔軟な停泊が可能
注意点
- 錨の効き(底質・潮流・風)によっては流される可能性あり(走錨)
- 錨鎖・錨の点検・海底の状況確認が必要
- 近隣の船舶や海域に十分な安全マージンを確保する必要あり
錨泊と「碇泊」「係留」の違い
錨泊と似た用語があり、使い分けを知ることで理解が深まります。
| 用語 | 読み方 | 意味 | 主な違い |
|---|---|---|---|
| 錨泊 | びょうはく | 錨を下ろして停泊すること | 錨による固定 |
| 碇泊 | ていはく | 錨を用いてない場合でも「船が停泊している」意味で使われることあり | 用具の指定なし |
| 係留 | けいりゅう | 船を岸壁・桟橋・ボラードなどに係船ロープ/係留索でつなぐこと | 錨ではなく係船索が主 |
上記のように、「錨泊」は特に“錨を用いた停泊”を示す用語です。
錨泊の実務ポイント:安全に錨泊するために
- 錨を下ろす場所は、砂地・泥地など錨の効きやすい海底を選ぶ
- 錨鎖(アンカーチェーン)の長さ、出し方、水深×5〜7倍などを確認する
- 停泊中は船の位置変化(GPS等)を継続的に監視
- 荒天時や潮流強の場合は、予備錨(ダブルアンカー)の準備も
- 錨・鎖・ウィンドラスの定期点検を怠らない
まとめ:「錨泊とは」船の“錨でとどまる”停泊方式
錨泊とは、錨を用いて海底に船を固定し、停泊している状態のことです。
- 読み方:びょうはく
- 錨を下ろすことで、岸壁に接岸せず停泊できる
- 底質・錨鎖・潮流など多くの要因に注意が必要
船舶用語の理解において、この錨泊の概念を押さえておくと、海上での停泊・係留の違いが明晰になります。
次に船を停泊させる際には、「錨泊」かどうか、意識してみるとさらに理解が深まるでしょう。
以上、錨泊についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










