航海士の資格は独学で取れるのか

航海士の資格は、筆記試験の勉強だけであれば独学で進められます。

ただし、貨物船やフェリー、タンカーなどで職業航海士として働くために必要な「海技士(航海)」は、参考書や問題集による勉強だけで取得できる資格ではありません。

海技士免許を取得するには、試験への合格に加えて、目指す等級や経歴に応じた乗船履歴、身体検査、口述試験、海技免許講習などの条件を満たす必要があります。

そのため、航海士の資格については、次の3つを分けて考えることが重要です。

  • 独学で試験勉強ができるか
  • 学校に通わず試験を受けられるか
  • 独学だけで免許取得まで完結できるか

結論として、海技士(航海)の筆記試験対策は独学できますが、未経験者が学校や船会社に所属せず、完全な独学だけで職業航海士になるのは現実的ではありません。

目次

航海士に必要な資格とは

職業航海士には海技士(航海)が必要

貨物船、タンカー、フェリーなどで航海士として勤務する場合、原則として「海技士(航海)」の免許が必要です。

海技士は、一定の船舶に船長、航海士、機関長、機関士などの船舶職員として乗り組むための国家資格です。

海技士には、担当する職務に応じて、主に次の種類があります。

  • 海技士(航海)
  • 海技士(機関)
  • 海技士(通信)
  • 海技士(電子通信)

このうち、船の針路や位置を確認し、航海計画を立て、船橋で航海当直を行う航海士に関係するのが、海技士(航海)です。

小型船舶操縦士は別の資格

プレジャーボートや小型漁船などを操縦するための「小型船舶操縦士」は、海技士(航海)とは別の資格です。

小型船舶操縦士免許を取得しても、貨物船や大型フェリーなどの航海士になれるわけではありません。

小型船舶操縦士は、法律上の小型船舶に船長として乗船し、操縦するための免許です。

一方、海技士(航海)は、商船などに船長や航海士として乗り組むための資格です。

一般には、総トン数20トン未満の船舶が小型船舶に該当します。

ただし、一定の条件を満たすプレジャーボートについては、総トン数20トン以上でも小型船舶として扱われる場合があります。

そのため、「20トン以上の船には必ず海技士が必要」と単純に判断することはできません。

海技士(航海)の等級

海技士(航海)には、1級から6級までの等級があります。

基本的には、数字が小さいほど上位の資格です。

1級海技士(航海)

1級海技士(航海)は、航海分野における最上位の資格です。

大型船の船長など、責任の大きい職務に就く際に必要となることがあります。

ただし、1級免許を持っていれば、すべての船で無条件に船長になれるわけではありません。

実際に必要な資格は、船舶の総トン数、航行区域、職務、免状に付された限定などによって決まります。

2級海技士(航海)

2級海技士(航海)は、大型船の船長や一等航海士などを目指す際に関係する上級資格です。

一般的には、下位の海技士免許を取得し、航海士として乗船経験を積みながら上位資格を目指します。

3級海技士(航海)

3級海技士(航海)は、外航船や比較的大型の内航船で航海士を目指す人に関係する資格です。

商船系の大学や高等専門学校、海技大学校などの養成課程を通じて取得を目指すケースがあります。

ただし、3級海技士を持っていれば、すべての外航船で航海士になれるわけではありません。

船舶や職務に応じた配乗基準を満たす必要があります。

4級海技士(航海)

4級海技士(航海)は、内航船などで航海士として勤務する際に関係する資格です。

海上技術短期大学校などの養成施設を修了し、乗船実習を経て取得を目指すルートがあります。

養成施設を経由せず、船員として乗船履歴を積みながら受験する方法もあります。

5級・6級海技士(航海)

5級・6級海技士(航海)は、比較的小規模な商船や、一定の航行区域で運航する船舶などに関係する資格です。

ただし、小型船舶操縦士とは異なります。

5級や6級であっても、職業船員として一定の船舶に船長または航海士として乗り組むための海技士資格です。

海技士(航海)の筆記試験は独学できる

海技士(航海)の筆記試験は、市販の参考書や問題集、過去問題などを使って独学できます。

また、海技士(航海)や海技士(機関)については、所定の乗船履歴を満たす前でも、原則として筆記試験を先に受験できます。

そのため、船員として十分な乗船履歴がない段階でも、筆記試験の合格を目指して勉強を始めることは可能です。

ただし、筆記試験に合格しただけでは、海技士免許を取得したことにはなりません。

筆記試験への合格だけでは航海士になれない

海技士国家試験では、受験する資格や経歴に応じて、筆記試験のほかに口述試験や身体検査が行われます。

さらに、海技免状を取得するためには、所定の乗船履歴や必要な海技免許講習などの条件を満たさなければなりません。

したがって、筆記試験に合格しても、乗船履歴が不足していれば、国家試験の最終合格や免許取得まで進めない場合があります。

6級海技士には試験上の例外がある

一般的な海技士(航海)の学科試験は、筆記試験と口述試験で構成されます。

ただし、6級海技士については、受験区分や経歴などによって、筆記試験のみで行われる場合と、筆記試験と口述試験の両方が行われる場合があります。

そのため、「海技士試験は必ず筆記・口述・身体検査の3つで構成される」と一律に説明するのは正確ではありません。

海技士(航海)を独学だけで取得するのが難しい理由

一定の乗船履歴が必要になる

海技士(航海)の免許取得では、等級や経歴に応じた乗船履歴が重要です。

乗船履歴とは、一定の船舶に乗り、船舶の運航や航海に関係する職務を担当した経験のことです。

必要な乗船期間は一律ではありません。

主に次の条件によって異なります。

  • 受験する海技士の等級
  • すでに保有している海技免状
  • 乗船した船の総トン数
  • 船舶の用途
  • 航行区域
  • 担当していた職務
  • 船長や航海士としての履歴か、部員としての履歴か
  • 船舶職員養成施設の修了歴

養成施設を経由せず、部員としての乗船履歴から4級海技士(航海)を目指す場合などには、条件によって3年程度の履歴が必要になることもあります。

ただし、「4級海技士には必ず3年必要」という意味ではありません。

必要な期間は、個人の経歴によって変わります。

乗船履歴は書類で証明する必要がある

乗船履歴は、本人が船に乗ったと申告するだけでは認められません。

一般的には、船員手帳や所定の乗船履歴証明書などを使って証明します。

船員手帳を持っていない場合や、特殊な勤務形態の場合には、船舶所有者による証明や、船舶に関する追加書類を求められることがあります。

そのため、知人の船を手伝った経験や、個人で船を操縦した経験が、そのまま海技士試験の乗船履歴として認められるとは限りません。

乗船を開始する前に、予定している船や職務が、目指す資格の乗船履歴として認められるかを地方運輸局などへ確認することが大切です。

口述試験には実務的な理解が求められる

海技士(航海)の口述試験では、航海、運用、法規などに関する知識を口頭で説明する力が求められます。

受験する等級や試験によって実際の出題内容は異なりますが、一般的には次のような分野を説明できるようにしておく必要があります。

  • 航海計画
  • 船位の測定
  • 海図や航海計器
  • 海上衝突予防
  • 船舶の操縦
  • 船舶の復原性
  • 錨泊や係留
  • 荒天時の対応
  • 緊急時の対応
  • 航海当直

口述試験では、用語を暗記しているだけでなく、実際の状況でどのように判断し、どのような行動を取るかを説明する力が必要です。

そのため、乗船経験のない人が、参考書だけで十分な口述対策を行うのは簡単ではありません。

海技免許講習が必要になる場合がある

海技士国家試験に合格しても、すぐに海技免状が交付されるとは限りません。

取得する資格や経歴に応じて、レーダー、救命、消火、航海英語などに関する所定の海技免許講習を修了する必要があります。

ただし、必要な講習は全員共通ではありません。

次の条件などによって、必要な講習や免除される講習が異なります。

  • 取得する海技士の等級
  • 養成施設で受けた教育
  • すでに修了している講習
  • 保有する海技免状
  • 免状に付される限定

必要な講習は登録された講習機関で受講するため、自宅での独学だけでは完結しません。

海技士(航海)の主な試験分野

ここから紹介する内容は、独学で勉強する際に押さえておきたい主な分野です。

実際の試験範囲は受験する等級によって異なるため、最新の試験案内や試験科目細目を確認する必要があります。

航海

航海分野では、船の位置や針路を把握し、安全な航海計画を立てるための知識が問われます。

主な学習内容として、次のようなものがあります。

  • 緯度と経度
  • 針路と方位
  • 海図
  • 航路標識
  • 潮汐や海流
  • 船位測定
  • 航海計画
  • 航海計器
  • レーダー
  • 衛星航法
  • 海上気象
  • 天測航法

受験する等級が上がるほど、計算や判断を必要とする問題も難しくなります。

運用

運用分野では、船舶を安全に操縦・管理するための知識を学びます。

主な内容は次のとおりです。

  • 船体構造
  • 船舶の操縦性能
  • 復原性
  • 錨泊
  • 係留
  • 離着岸
  • 荒天航法
  • 貨物の積み付け
  • 救命設備
  • 消火設備
  • 海難防止
  • 緊急時の対応

運用は、船上での実務経験と結び付きやすい分野です。

未経験者は専門用語だけを覚えるのではなく、図や映像なども活用しながら、実際の船上作業をイメージして学ぶ必要があります。

法規

法規分野では、船舶の安全な航行に関係する法律や規則を学びます。

代表的な法令には、次のようなものがあります。

  • 海上衝突予防法
  • 海上交通安全法
  • 港則法
  • 船員法
  • 船舶職員及び小型船舶操縦者法
  • 船舶安全法
  • 海上交通に関係する国際条約

これらは、すべての等級で同じ範囲が出題されるという意味ではありません。

受験する等級ごとの試験範囲を確認したうえで学習することが重要です。

特に海上衝突予防法は、単に条文を暗記するだけでなく、船同士の見合い関係、灯火、形象物、音響信号などを状況に応じて判断できるようにしておく必要があります。

海技士(航海)を独学する方法

目指す船や働き方を決める

海技士(航海)は、等級ごとに乗船できる船や担当できる職務が単純に固定されているわけではありません。

必要な資格は、船の大きさや航行区域、役職などによって異なります。

まずは、将来どのような船で働きたいのかを考えましょう。

  • 外航貨物船
  • 内航貨物船
  • タンカー
  • フェリー
  • 旅客船
  • タグボート
  • 作業船
  • 漁船

希望する船会社や船種が決まったら、求人情報や配乗基準を確認し、必要な海技士の等級を逆算します。

資格だけを先に選ぶより、目指す職業から必要な資格を決めるほうが現実的です。

最新の過去問題を確認する

独学を始める際は、海技士国家試験の過去問題を確認しましょう。

最初からすべて解ける必要はありません。

まずは、次の点を把握することが大切です。

  • どのような形式で出題されるか
  • 計算問題がどれくらいあるか
  • 専門用語を理解できるか
  • 図表や海図を使う問題があるか
  • 法規の出題範囲はどれくらいか
  • 現在の知識で何割程度理解できるか

過去問題を確認することで、自分に必要な学習期間や教材を判断しやすくなります。

基礎から順番に学習する

船舶に関する知識がない人は、専門的な計算問題や法令から始めるより、基礎用語から学ぶほうが理解しやすくなります。

独学では、次のような順番が考えられます。

  1. 船舶や航海に関する基礎用語
  2. 緯度・経度、方位、針路
  3. 海図と船位測定
  4. 航海計器
  5. 灯火・形象物・音響信号
  6. 海上衝突予防法
  7. 船舶の構造と操縦
  8. 復原性
  9. 気象と海象
  10. 関係法規
  11. 計算問題
  12. 過去問題演習

すでに船員として働いている人は、自分が実務で経験している分野から学習を始めてもよいでしょう。

法令は最新の内容を使用する

海技士試験では、法律や省令、国際規則に関する問題が出題されます。

古い参考書や問題集を使用すると、法改正前の内容が掲載されている可能性があります。

教材を購入するときは、発行年だけでなく、どの時点の法令に対応しているかを確認してください。

過去問題についても、過去の正解をそのまま暗記するのではなく、現行法令と一致しているか確認することが重要です。

口述試験は声に出して練習する

口述試験の対策では、参考書を読んで理解するだけでは不十分です。

質問に対し、短時間で内容を整理して説明する練習が必要です。

回答する際は、次のような順番を意識すると整理しやすくなります。

  1. 取るべき行動
  2. 判断した理由
  3. 関係する法令や原則
  4. 具体的な操船や対応
  5. その後の安全確認

自分の回答を録音し、聞き直す方法も効果的です。

次の点を確認しましょう。

  • 結論が明確か
  • 回答が長すぎないか
  • 専門用語を正しく使えているか
  • 根拠を説明できているか
  • 安全確認が抜けていないか
  • あいまいな表現が多くないか

ただし、これは一般的な学習方法であり、公式の採点基準を示すものではありません。

独学が向いている人

海技士(航海)の筆記試験を独学で目指しやすいのは、次のような人です。

  • すでに船員として働いている
  • 甲板部での実務経験がある
  • 航海当直や甲板作業を経験している
  • 下位の海技士免許を持っている
  • 海図や航海計器に触れたことがある
  • 法令や計算問題を継続的に勉強できる
  • 自分で学習計画を管理できる
  • 乗船中も勉強時間を確保できる

特に、船会社に所属しながら乗船履歴を積んでいる人は、実務と独学を組み合わせて上位資格を目指しやすいでしょう。

完全な独学が難しい人

次のような人は、海事系学校や船舶職員養成施設を利用するほうが現実的です。

  • 船に乗った経験がない
  • 船員としての就職先が決まっていない
  • 海図や航海計器を見たことがない
  • 船舶運用の専門用語が分からない
  • 乗船履歴を積める環境がない
  • 口述試験を一人で対策するのが難しい
  • できるだけ早く航海士として就職したい
  • 3級や4級海技士を未経験から目指したい

未経験者の場合、筆記試験の勉強よりも、必要な乗船履歴をどのように確保するかが大きな課題になります。

未経験から航海士を目指す方法

海事系の学校や養成施設に進学する

未経験から職業航海士を目指す代表的な方法は、海事系の学校や登録船舶職員養成施設に進学することです。

主な進学先として、次のようなものがあります。

  • 海上技術短期大学校
  • 商船系高等専門学校
  • 商船・海洋系大学
  • 海技大学校
  • 登録船舶職員養成施設

養成施設では、航海、運用、法規などの座学に加えて、練習船での実習や船員として必要な訓練を受けられます。

所定の養成課程を修了すると、課程や資格に応じて海技士国家試験の筆記試験が免除される場合があります。

未経験者にとっては、乗船実習と資格取得を計画的に進めやすいルートです。

船会社に甲板員として就職する

船会社に甲板員として採用され、船上で働きながら海技士(航海)を目指す方法もあります。

一般的には、次のような流れが考えられます。

  1. 未経験者を募集している船会社を探す
  2. 甲板員として就職する
  3. 船員手帳を取得する
  4. 船上業務を経験する
  5. 必要な乗船履歴を積む
  6. 独学や講習で試験対策を行う
  7. 海技士国家試験を受験する
  8. 航海士への昇進を目指す

ただし、甲板員として働けば、すべての勤務期間が自動的に乗船履歴として認められるわけではありません。

乗船する船の大きさ、用途、航行区域、担当職務などによって、履歴として算入できるかが変わります。

就職前に、予定している船や仕事内容が、目指す資格の乗船履歴として認められるかを確認することが重要です。

一般の学校を卒業した後に養成課程へ進む

海事系以外の高校、大学、短期大学などを卒業した後でも、船員養成課程を通じて航海士を目指せる場合があります。

海技大学校などでは、一般の学校を卒業した人を対象とする養成課程が設けられることがあります。

目指せる資格、修業期間、年齢要件、学歴要件、募集人数などは課程によって異なります。

制度や募集内容が変更されることもあるため、出願前には必ず最新の募集要項を確認してください。

小型船舶操縦士は独学で取得できる?

小型船舶操縦士は、登録教習所に通わず、国家試験を直接受験することができます。

そのため、制度上は独学で取得を目指せる資格です。

ただし、国家試験には学科試験だけでなく、実技試験もあります。

小型船舶操縦士の試験内容

小型船舶操縦士の国家試験は、主に次の3つで構成されます。

  • 身体検査
  • 学科試験
  • 実技試験

通常は身体検査、学科試験、実技試験が同日に行われますが、試験日程によっては実技試験が別日になることもあります。

また、身体検査に合格しなければ、学科試験や実技試験を受けられません。

学科試験は独学しやすい

小型船舶操縦士の学科試験は、市販の教材や問題集を使って独学できます。

主な学習内容は次のとおりです。

  • 小型船舶操縦者の心得
  • 水上交通のルール
  • 運航
  • 気象や海象
  • 船体や設備
  • 機関
  • 事故防止
  • 関係法令

繰り返し問題演習を行えば、船に乗った経験がない人でも合格を目指せます。

実技試験は練習が必要

実技試験では、実際の船を操縦する技能が確認されます。

代表的な対策項目は次のとおりです。

  • 発航前の点検
  • 安全確認
  • 発進と停止
  • 直進
  • 変針
  • 離岸と着岸
  • 人命救助
  • ロープワーク
  • 機関の取り扱い
  • 計器の確認

実技試験では、風や潮流、船の慣性などを考えながら操作する必要があります。

そのため、参考書や動画を見るだけで実技対策を完結させるのは困難です。

船を安全かつ合法的に練習できる環境がない場合は、学科を独学し、実技だけボートスクールの講習を受ける方法が現実的です。

航海士の資格に関するよくある質問

船に乗った経験がなくても筆記試験を受けられますか?

海技士(航海)については、所定の乗船履歴を満たしていなくても、原則として筆記試験を先に受けることができます。

ただし、筆記試験に合格しただけでは海技士免許は取得できません。

口述試験や免許取得まで進むには、等級に応じた乗船履歴などの条件を満たす必要があります。

小型船舶免許があれば航海士になれますか?

小型船舶操縦士免許だけでは、貨物船、タンカー、フェリーなどの航海士にはなれません。

小型船舶操縦士は、法律上の小型船舶を操縦するための免許です。

職業として商船などの航海士を目指す場合は、船舶や職務に応じた海技士(航海)が必要です。

いきなり1級海技士を受験できますか?

海技士(航海)の筆記試験は、乗船履歴を満たす前でも先に受験できる場合があります。

しかし、筆記試験に合格しただけで1級海技士免許を取得できるわけではありません。

1級海技士の免許取得には、所定の乗船履歴や試験、講習などの条件を満たす必要があります。

未経験者が筆記試験だけに合格しても、すぐに大型船の船長として働けるわけではありません。

何級から目指すのが一般的ですか?

最初に目指す等級は、進学する学校、勤務する船会社、乗船する船の種類などによって異なります。

一般的な目安としては、次のようなルートがあります。

  • 外航船を目指す場合は3級海技士を目指す養成課程
  • 内航船を目指す場合は4級や5級海技士を目指す養成課程
  • 小規模な職業船を目指す場合は5級や6級海技士
  • プレジャーボートを操縦する場合は小型船舶操縦士

ただし、必要な資格は船ごとに異なります。

就職したい船会社や乗りたい船を決めたうえで、必要な資格を確認することが大切です。

航海士の資格を独学で目指す際の注意点

海技士(航海)の試験制度や乗船履歴の要件、必要な講習などは、資格や個人の経歴によって異なります。

また、法令改正や制度変更によって、試験内容や申請手続きが変わる可能性もあります。

独学を始める前には、次の機関が公表している最新情報を確認してください。

  • 国土交通省
  • 地方運輸局
  • 神戸運輸監理部
  • 海技教育機構
  • 日本海洋レジャー安全・振興協会
  • 登録船舶職員養成施設

特に乗船履歴については、勉強を始める前ではなく、実際に船へ乗る前に確認することが重要です。

長期間勤務した後で、目指す資格の乗船履歴として認められないことが判明すると、取得計画に大きな影響が出る可能性があります。

まとめ

職業航海士に必要な海技士(航海)は、筆記試験の勉強であれば独学できます。

また、所定の乗船履歴を満たす前に、筆記試験を先に受験できる場合があります。

しかし、海技士免許を取得するには、筆記試験だけでなく、等級や経歴に応じた乗船履歴、口述試験、身体検査、海技免許講習などの条件を満たさなければなりません。

そのため、船の経験がない人が、学校や船会社に所属せず、完全な独学だけで職業航海士になるのは難しいといえます。

未経験から航海士を目指す場合は、次の方法が現実的です。

  • 海事系の学校や船舶職員養成施設で学ぶ
  • 船会社に甲板員として就職し、乗船履歴を積む
  • 養成課程と乗船実習を通じて資格取得を目指す

一方、小型船舶操縦士は、登録教習所に通わず国家試験を直接受験できます。

学科試験は独学しやすいものの、実技試験があるため、船の操縦経験がない人は実技講習を利用するのが現実的です。

航海士の資格は「独学で勉強できる資格」ではありますが、「独学だけで免許取得と就職まで完結できる資格」ではありません。

自分が乗りたい船や目指す働き方を明確にし、必要な等級、乗船履歴、養成ルートを確認したうえで取得計画を立てることが大切です。

以上、航海士の資格は独学で取れるのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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