船舶検査の日程や受検時期とは
船舶を安全に航行させるためには、船舶安全法などに基づき、定められた時期に船舶検査を受ける必要があります。
ただし、船舶検査はすべての船で同じ周期になっているわけではありません。
船舶の用途や総トン数、旅客定員などによって、定期検査や中間検査を受ける時期が異なります。
一般的なプレジャーボートなどでは、定期検査と中間検査を一定の周期で受ける仕組みになっています。
一方、旅客船や一部の事業船では、より短い間隔で検査を受ける場合があります。
自分の船がいつ検査を受ける必要があるのかを判断する際は、一般的な周期だけでなく、船舶検査手帳などに記載されている実際の検査時期を確認することが重要です。
船舶検査には複数の種類がある
船舶検査の日程を理解するためには、まず検査の種類を知っておく必要があります。
主な船舶検査として、定期検査、中間検査、臨時検査、臨時航行検査などがあります。
定期検査
定期検査は、船舶を初めて航行させる場合や、船舶検査証書の有効期間が満了する際などに受ける検査です。
船体や機関、救命設備、消防設備などについて検査が行われ、必要な安全基準を満たしているか確認されます。
継続して使用している船舶では、船舶検査証書の有効期間に応じて、一定の周期で定期検査を受けることになります。
中間検査
中間検査は、定期検査と次の定期検査の間に行われる検査です。
一般的な小型船舶では、定期検査だけでなく、その途中で中間検査を受ける必要があります。
そのため、船舶検査証書の有効期間が残っている場合でも、中間検査の時期を確認しなければなりません。
臨時検査
臨時検査は、一定周期で自動的に受ける検査ではありません。
船体や機関、設備などに一定の改造や修理を行った場合や、航行区域、最大搭載人員などの条件を変更する場合などに必要になることがあります。
また、海難などによって船舶が損傷した場合にも、臨時検査の対象となることがあります。
ただし、どのような改造や修理でも必ず臨時検査が必要になるわけではありません。
改造内容や交換する機器などによって扱いが異なるため、不明な場合は事前に検査機関へ確認することが重要です。
臨時航行検査
臨時航行検査は、船舶検査証書を受有していない船舶を臨時に航行させる場合などに関係する検査です。
たとえば、新造船の試運転や回航などで必要になる場合があります。
検査切れとなった船舶を検査場所まで移動させたい場合にも関係する可能性がありますが、状況によって手続きが異なるため、自己判断で航行せず事前に確認することが大切です。
一般的な小型船舶は6年ごとに定期検査を受ける
一般的なプレジャーボートなど、旅客船以外の小型船舶では、6年ごとに定期検査を受けるケースが一般的です。
ただし、6年間まったく検査を受けなくてよいわけではありません。
定期検査と定期検査の間には、中間検査があります。
おおむね3年ごとに検査を受ける
一般的な小型船舶では、次のような流れになります。
定期検査を受けた後、おおむね3年後に中間検査を受け、その約3年後に再び定期検査を受けます。
イメージとしては、次のようになります。
0年目:定期検査
約3年後:中間検査
約6年後:定期検査
約9年後:中間検査
約12年後:定期検査
このように、定期検査そのものは6年周期であっても、実際にはおおむね3年ごとに定期検査または中間検査を受けることになります。
すべての船舶が6年周期ではない
注意したいのは、すべての船舶が6年ごとの定期検査になるわけではないことです。
船舶の用途や大きさなどによって、船舶検査証書の有効期間が5年となる場合もあります。
また、旅客船や事業用船舶では検査周期が異なる場合があります。
そのため、「船舶検査は必ず6年ごと」と考えるのではなく、自分の船に設定されている検査時期を確認する必要があります。
中間検査には受検できる時期がある
中間検査は、指定された1日だけに受けなければならないわけではありません。
一定の受検時期が設けられており、その期間内に検査を受けることができます。
中間検査の受検時期は原則6か月
一般的な定期的検査では、中間検査に6か月の受検時期が設けられています。
たとえば、ある月を中心として前後を含む形で受検できる期間が設定される場合があります。
この期間内であれば、所有者の都合や整備状況に合わせて検査日を調整できます。
受検時期内に受ければ次回の検査時期は基本的に変わらない
指定された受検時期の範囲内で中間検査を受けた場合、原則として次回の検査時期が前倒しされることはありません。
そのため、受検可能になったからといって、最終期限ぎりぎりまで待つ必要はありません。
船の使用予定や整備計画に合わせて、余裕を持って受検するとよいでしょう。
定期検査の受検時期は原則3か月
定期検査についても、受検できる期間が設定されています。
一般的な定期検査では、原則として3か月の受検時期があります。
船舶検査証書の有効期限直前に受けるとは限らない
定期検査では、船舶検査証書の有効期間が切れる直前の一定期間内に検査を受けることができます。
ただし、具体的な受検期間は船舶ごとに確認する必要があります。
単純に「有効期限の3か月前から受けられる」と自己判断するのではなく、船舶検査手帳などに記載されている時期を確認することが確実です。
指定時期より早く受検すると次回時期が早まる場合がある
注意したいのが、指定された受検時期より大幅に早く検査を受ける場合です。
所定の受検時期より前に繰り上げて検査を受けると、その後の検査時期も早くなる場合があります。
そのため、「早ければ早いほどよい」というわけではありません。
まずは船舶検査手帳などを確認し、定められた受検時期の範囲内で日程を決めることが重要です。
船舶検査証書の有効期限だけでは判断できない
船舶検査の日程を確認する際に、特に注意したいのが船舶検査証書の有効期限です。
船舶検査証書の期限がまだ残っているからといって、必ずしもそのまま航行できるとは限りません。
中間検査の時期を確認する必要がある
たとえば、船舶検査証書の有効期間が6年であっても、その途中で中間検査を受けなければなりません。
必要な中間検査を受けないまま受検時期を過ぎると、船舶検査証書の有効期限が残っていたとしても、適法に航行できなくなる場合があります。
そのため、確認すべきなのは船舶検査証書だけではありません。
船舶検査手帳に記載されている次回の検査時期も確認する必要があります。
船舶検査手帳で正確な受検時期を確認する
自分の船の検査日程を確認するうえで、特に重要なのが船舶検査手帳です。
船舶検査手帳には、検査の時期などが記載されています。
「検査の時期」の欄を確認する
一般的な周期として3年や6年という目安はありますが、実際の受検時期を判断する際は、船舶検査手帳の記載を確認するのが基本です。
中古船を購入した場合なども、購入日を基準として検査周期がリセットされるわけではありません。
その船に設定されている既存の検査スケジュールを引き継ぐことになるため、船舶検査手帳を確認する必要があります。
次回検査時期指定票でも確認できる
小型船舶では、船体に貼付されている次回検査時期指定票でも、次回の検査時期を確認できます。
次回検査時期指定票には、次回の検査時期を把握しやすいように年や月などが表示されています。
正確な期間は船舶検査手帳で確認する
次回検査時期指定票は、船体を見れば簡単に確認できるため便利です。
ただし、受検可能な期間を正確に確認したい場合は、船舶検査手帳の記載を確認したほうが確実です。
旅客船は一般的な小型船舶と検査周期が異なる
旅客船については、一般的なプレジャーボートとは異なる周期で検査を受けます。
そのため、プレジャーボートの検査周期をそのまま当てはめることはできません。
総トン数5トン未満の旅客船
総トン数5トン未満で旅客定員13名以上の旅客船では、定期検査の周期が原則5年となります。
その定期検査と定期検査の間に中間検査が行われます。
一般的な旅客船以外の小型船舶とは、検査周期が異なる点に注意が必要です。
総トン数5トン以上の旅客船
総トン数5トン以上の旅客船では、5年ごとの定期検査に加え、その間に原則として毎年中間検査を受けます。
そのため、旅客船を運航している場合は、一般的な小型船舶の「約3年ごと」という考え方で判断してはいけません。
事業用船舶も検査周期が異なる場合がある
遊漁船や海上運送事業に使用する船舶などについても、船舶の用途や総トン数などによって検査周期が異なる場合があります。
一般のプレジャーボートと同じ扱いになるとは限りません。
船舶の用途を確認することが重要
同じ大きさの船舶であっても、使用目的によって適用される検査制度が異なる場合があります。
個人で使用するプレジャーボートなのか、旅客を運ぶ船なのか、事業に使用する船なのかによって、必要な検査内容や周期が変わる可能性があります。
事業用の船舶については、特に個別確認が重要です。
臨時検査には決まった周期がない
定期検査や中間検査とは異なり、臨時検査には「何年ごと」という決まった周期はありません。
必要な変更や修理などが発生した際に受ける検査です。
改造や修理を行う場合
船体の主要部分を改造した場合や、機関、操舵設備などについて一定の変更を行った場合には、臨時検査が必要になることがあります。
ただし、軽微な修理や部品交換まで必ず臨時検査が必要になるとは限りません。
具体的な内容によって判断が変わるため、改造や大規模な修理を行う場合は、施工前に検査機関へ相談しておくと安心です。
航行条件を変更する場合
航行区域や最大搭載人員など、船舶検査証書に関係する条件を変更する場合にも、臨時検査が必要になることがあります。
変更を予定している場合は、変更後ではなく事前に必要な手続きを確認するとよいでしょう。
中古船を購入した場合も検査時期を確認する
中古船を購入する際は、船体やエンジンの状態だけでなく、船舶検査の状況も必ず確認しておきたいポイントです。
購入した日から検査周期が始まるわけではない
中古船の所有者が変わっても、船舶検査の日程が購入日からリセットされるわけではありません。
前の所有者の時点から続いている検査スケジュールを引き継ぐことになります。
そのため、購入時には船舶検査証書と船舶検査手帳の両方を確認しましょう。
船舶検査証書の期限だけを見ない
中古船では、船舶検査証書の有効期限が残っている場合でも、中間検査の受検時期を過ぎている可能性があります。
船舶検査証書だけを確認して「まだ船検が残っている」と判断するのは避けたほうがよいでしょう。
検査切れの船舶は航行しない
必要な定期検査や中間検査を受けずに受検時期を過ぎた場合、そのまま航行してはいけません。
必要な検査を受け、合格してから航行する必要があります。
船舶検査証書の期限が残っていても注意
特に間違えやすいのが、中間検査を受けていないケースです。
船舶検査証書の有効期間そのものが残っていたとしても、必要な中間検査を受けていなければ適法に航行できない場合があります。
検査場所まで船を移動させる場合も確認する
検査切れの船を検査場所まで移動させたい場合でも、自由に航行できるとは限りません。
状況によっては臨時航行検査などの手続きが関係します。
そのため、検査切れに気づいた場合は、まずJCIや管轄の検査機関へ相談し、必要な手続きを確認しましょう。
船舶検査の日程は早めに調整する
受検可能な時期に入ったら、できるだけ早めに日程を調整することをおすすめします。
受検時期の最終日近くまで待つと、不具合が見つかった場合に修理や再検査を行う時間が少なくなるためです。
検査前に船の状態を確認する
検査前には、船体や機関だけでなく、救命設備や消防設備などの状態も確認しておきましょう。
不足している備品や劣化している設備があれば、事前に交換・補充しておくことで検査をスムーズに進めやすくなります。
整備が必要になる可能性も考慮する
検査の際に不具合が判明すると、修理や整備が必要になることがあります。
船体修理や機関整備、法定備品の交換などが必要になれば、すぐには対応できないこともあります。
そのため、受検期限ぎりぎりではなく、余裕のある時期に検査を受けることが大切です。
JCIで小型船舶の検査を受ける場合
一般的なプレジャーボートなどの小型船舶では、日本小型船舶検査機構で検査を受けるケースが多くなります。
JCIは主に総トン数20トン未満の小型船舶について検査業務を行っています。
また、登録制度の対象となる小型船舶について、登録業務も行っています。
検査日程は管轄支部と調整する
実際の検査日は、申請後に検査機関と調整して決定します。
JCIによる通常の検査は平日を中心として行われるため、仕事などで立ち会いが難しい場合は早めに予定を調整するとよいでしょう。
マリーナや販売店、整備業者などに手続きを依頼できる場合もあります。
検査直前に時間や場所を確認する場合がある
JCIで検査を受ける場合、検査日の前日や前々日などに、担当検査員から時間や場所について連絡が入ることがあります。
申請時点で希望日を伝えていても、詳細な時間については直前に調整される場合があります。
そのため、検査日はある程度余裕を持って予定を確保しておくと安心です。
船舶検査の日程を確認する方法
自分の船の検査時期が分からない場合は、複数の書類や表示を確認するとよいでしょう。
船舶検査手帳を確認する
まず確認したいのが船舶検査手帳です。
検査の時期に関する記載を確認し、次回の検査が定期検査なのか中間検査なのかを確認します。
船舶検査証書を確認する
船舶検査証書では、有効期間を確認できます。
ただし、中間検査の時期については船舶検査証書だけでは判断できない場合があるため、船舶検査手帳と合わせて確認することが重要です。
次回検査時期指定票を確認する
船体に貼付されている次回検査時期指定票からも、おおよその次回検査時期を把握できます。
手元に書類がない場合でも確認しやすい方法です。
分からない場合は検査機関に問い合わせる
書類の記載が分かりにくい場合や、検査時期を過ぎている可能性がある場合は、自己判断せず検査機関へ問い合わせるのが確実です。
船舶番号などを準備しておくと、確認がスムーズになる場合があります。
船舶検査の日程に関する注意点
船舶検査では、単に有効期限だけ覚えておけばよいわけではありません。
定期検査と中間検査の両方を管理する必要があります。
受検案内だけに頼らない
検査時期が近づくと案内が届く場合がありますが、案内が届かなかったからといって検査を受けなくてよいわけではありません。
住所変更の届出状況などによっては、案内を受け取れない可能性もあります。
最終的には船舶の所有者自身が検査時期を確認しておくことが大切です。
期限ぎりぎりの予約は避ける
検査の予約状況によっては、希望日に検査を受けられない可能性もあります。
また、検査で不具合が見つかれば修理期間が必要になることもあります。
そのため、受検時期に入ったら早めに準備を始めることをおすすめします。
船舶検査の日程と受検時期を正しく管理しよう
一般的なプレジャーボートなど、旅客船以外の小型船舶では、6年ごとの定期検査と、その中間時期に行われる中間検査が基本的な検査サイクルです。
そのため、実際にはおおむね3年ごとに定期検査または中間検査を受けることになります。
また、一般的な定期検査には原則3か月、中間検査には原則6か月の受検時期があります。
ただし、船舶の用途や総トン数、旅客定員などによって検査周期は異なります。
旅客船や事業用船舶では、より短い周期で中間検査が必要になる場合もあります。
さらに、船舶検査証書の有効期限が残っていたとしても、中間検査の時期を過ぎていれば適法に航行できない場合があるため注意が必要です。
自分の船の正確な検査時期を確認する際は、一般的な「3年」「6年」という目安だけで判断せず、船舶検査手帳や船舶検査証書、次回検査時期指定票などを確認しましょう。
不明な点がある場合は、JCIや管轄の検査機関へ確認し、余裕を持って検査日程を調整することが大切です。
以上、船舶検査の日程や受検時期についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








