船舶検査証書を再発行する方法
船舶検査証書を紛失したり、汚して読めなくなったりした場合は、原則として再交付の手続きが必要です。
一般的なプレジャーボートやモーターボート、水上オートバイなど、日本小型船舶検査機構(JCI)が検査を行っている船舶については、JCIへ再交付を申請します。
船舶検査証書は、船舶が所定の検査を受け、基準に適合していることなどを示す重要な書類です。
航行時には船舶検査手帳とともに船内へ備えておく必要があるため、紛失した場合は早めに手続きを行いましょう。
船舶検査証書を再交付する必要があるケース
船舶検査証書を紛失した場合
船舶検査証書を紛失した場合は、再交付を申請できます。
たとえば、自宅やマリーナで保管している間になくした場合や、移動中に紛失した場合などが該当します。
紛失した証書そのものを提出する必要はありませんが、手元に船舶検査手帳などが残っている場合は、所定の手続きに従って提出します。
船舶検査証書を流失した場合
船舶検査証書が海や川などに流されてしまった場合も、再交付の対象になります。
JCIの再交付申請書では、再交付を受ける理由として「紛失」「流失」「汚損」「その他」などが設けられています。
そのため、海上で書類を紛失したような場合でも再交付の申請が可能です。
船舶検査証書を汚損した場合
水濡れや汚れなどによって文字が読みにくくなった場合も、再交付を申請できます。
証書が手元に残っている場合は、原則として汚損した証書を提出します。
破れたり著しく傷んだりした場合についても、状態によっては汚損などとして再交付の対象になるため、判断に迷う場合はJCIへ確認するとよいでしょう。
小型船舶の再交付はJCIで行う
JCIが扱う主な船舶
日本小型船舶検査機構(JCI)は、主として小型船舶の検査業務を行っています。
一般的には、総トン数20トン未満のプレジャーボート、モーターボート、水上オートバイなどが対象になります。
また、一定の条件を満たす長さ24m未満のスポーツ・レクリエーション用船舶についても、小型船舶としてJCIの検査対象になる場合があります。
ただし、総トン数20トン未満であっても、一定のミニボートや帆船、小型漁船など、条件によって船舶検査が免除される船舶もあります。
そのため、自分の船がJCIの検査対象か分からない場合は、船舶の種類や用途、航行区域、長さ、機関出力などを確認したうえでJCIへ問い合わせると確実です。
船舶検査証書を再交付する流れ
船舶検査証書の再交付は、基本的に次の流れで進めます。
- 船舶検査証書等再交付申請書を準備する
- 必要書類をそろえる
- 再交付手数料を支払う
- JCI支部へ申請書類を提出する
- 再交付された船舶検査証書を受け取る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
船舶検査証書等再交付申請書を準備する
専用の申請書を使用する
JCIで船舶検査証書の再交付を受ける場合は、「船舶検査証書等再交付申請書」を使用します。
この申請書はJCIの公式サイトから入手できます。
申請書には、船舶や所有者に関する情報、再交付を希望する書類、再交付を求める理由などを記入します。
主に記入する内容
申請書では、主に次のような情報を記入します。
- 申請者の氏名または名称
- 申請者の住所
- 船舶所有者の氏名または名称
- 船舶所有者の住所
- 船種
- 船名
- 船舶番号
- 船舶検査済票番号
- 再交付を希望する証書の種類
- 再交付を受ける理由
- 連絡先
船舶検査証書を紛失しており、証書番号などが分からない場合は、分からない情報を推測して記入するのではなく、JCIへ確認するのが安全です。
船舶検査証書の再交付に必要な書類
基本的に必要となる書類
船舶検査証書の再交付では、一般的に次の書類を準備します。
- 船舶検査証書等再交付申請書
- 手数料払込証明書
- 船舶検査証書
- 船舶検査手帳
- 委任状
ただし、すべての申請でこれらが必要になるわけではありません。
たとえば、船舶検査証書そのものを紛失している場合は、当然ながら紛失した証書を提出する必要はありません。
船舶検査証書だけを紛失した場合
船舶検査手帳が手元に残っていて、船舶検査証書だけを紛失した場合は、一般的に次のような書類を準備します。
- 船舶検査証書等再交付申請書
- 手数料払込証明書
- 手元にある船舶検査手帳
- 代理申請の場合は委任状
紛失した船舶検査証書は提出できないため、提出不要です。
船舶検査手帳も紛失した場合
船舶検査証書と船舶検査手帳を両方なくしてしまった場合は、両方について再交付を申請できます。
この場合、船舶検査証書と船舶検査手帳のそれぞれについて再交付手数料が必要になります。
船舶検査証書の再交付手数料
船舶検査証書は1通4,350円
JCIが公表している船舶検査証書の再交付手数料は、1通につき4,350円です。
ほかの書類についても再交付手数料が設定されています。
主な金額は次のとおりです。
- 船舶検査証書:1通4,350円
- 船舶検査手帳:1通5,500円
- 船舶検査済票:2枚1組4,100円
- 臨時変更証・臨時航行許可証:1通2,800円
船舶検査証書だけを紛失した場合であれば、基本的には4,350円の再交付手数料が必要です。
郵送費は別途必要
再交付された証書を郵送してもらう場合は、再交付手数料とは別に郵送費が必要です。
郵送費は利用者負担となるため、窓口で受け取る場合とは費用が異なる点に注意しましょう。
再交付申請はどこへ提出する?
船の保管場所を管轄するJCI支部が基本
JCIの再交付手続きの案内では、申請書類は原則として船の保管場所を管轄するJCI支部へ提出するとされています。
ただし、JCIの別の案内では、再交付など船舶そのものを確認する必要がない手続きについて、最寄りの支部へ提出できる旨も案内されています。
そのため、どの支部へ提出すればよいか分からない場合は、事前にJCIへ確認するのが確実です。
郵送でも申請できる
船舶検査証書の再交付手続きは、JCI支部の窓口へ直接持参するだけでなく、郵送でも申請できます。
支部が遠い場合や、平日に窓口へ行くのが難しい場合は、郵送申請を利用すると便利です。
再交付された船舶検査証書を受け取る
窓口または郵送で受け取る
手続きが完了すると、新しい船舶検査証書が再交付されます。
基本的には申請したJCI支部の窓口で受け取りますが、所定の方法で送付を希望することも可能です。
郵送を希望する場合は、郵送方法や費用について申請先の支部へ確認しておくとよいでしょう。
再交付後に古い船舶検査証書が見つかった場合
古い証書はJCIへ返納する
船舶検査証書の再交付を受けた後に、紛失したはずの古い証書が見つかることがあります。
この場合、古い船舶検査証書はそのまま使用せず、最寄りのJCI支部へ返納する必要があります。
再交付された新しい証書を使用し、発見した旧証書は速やかに返納しましょう。
船舶検査証書の「再交付」と「書換」の違い
紛失や汚損は再交付
船舶検査証書をなくしたり、汚して使用できなくなったりした場合に行うのが再交付です。
証書に記載されている内容そのものを変更する手続きではありません。
記載事項の変更は書換などの手続き
一方、船名、所有者、住所、船籍港などの情報が変わった場合は、単純な再交付ではなく、船舶検査証書の書換や小型船舶登録の変更など、別の手続きが必要になる場合があります。
たとえば、中古艇を購入して所有者が変わった場合は、「証書を再発行する」だけで手続きが終わるとは限りません。
所有者変更や登録内容の変更がある場合は、必要な手続きをJCIへ確認しましょう。
定期検査が近い場合は扱いが異なる
中間検査の場合
船舶検査証書を紛失した状態でも、中間検査を受けることはできます。
ただし、中間検査では通常、新しい船舶検査証書が交付されません。
そのため、船舶検査証書を紛失している場合は、通常の検査申請に加えて再交付申請を行い、再交付手数料を支払う必要があります。
定期検査の場合
定期検査では、検査後に新しい船舶検査証書が交付されます。
そのため、定期検査を受ける際に船舶検査証書を紛失している場合は、通常、別途の船舶検査証書等再交付申請書や再交付手数料は必要ありません。
定期検査の時期が近い場合は、先にJCIへ相談すると不要な再交付手続きを避けられる可能性があります。
船舶検査済票を紛失した場合
船舶検査済票も再交付できる
船体に貼り付ける船舶検査済票を紛失したり、使用できない状態になったりした場合も再交付できます。
JCIの再交付手数料は、2枚1組で4,100円です。
船舶検査証書と船舶検査済票の両方を紛失した場合は、それぞれについて手続きと手数料が必要になります。
漁船の船舶検査証書を再交付する場合
検査対象の漁船は一般船舶と基本的に同様
JCIによる船舶検査を受けている漁船については、船舶検査証書等の再交付手続きは基本的に一般船舶と同様です。
ただし、すべての漁船が船舶検査の対象になるわけではありません。
一定の小型漁船については、用途や航行範囲などの条件によって船舶検査が免除される場合があります。
また、「漁船登録票」と「船舶検査証書」は別の制度です。
漁船登録票をなくした場合は、船舶検査証書の再交付とは別の手続きになるため注意しましょう。
JCIの対象外となる船舶の場合
地方運輸局などで手続きする場合がある
JCIが検査を担当していない船舶については、地方運輸局や運輸支局などで再交付手続きを行います。
国土交通省関係の手続きでは、「船舶検査証書等再交付申請書」が用意されており、船舶安全法施行規則の第14号様式として扱われています。
必要書類や手数料、提出先は船舶によって異なる場合があるため、JCI対象外の船舶については所管する地方運輸局などへ確認しましょう。
船舶検査証書を再交付するときの注意点
証書番号などを推測して記入しない
証書を紛失すると、船舶検査証書番号や交付年月日などが分からなくなる場合があります。
その場合は、記憶だけで推測して記入するのではなく、JCIへ確認するのがおすすめです。
船舶検査手帳もなくなっていないか確認する
船舶検査証書と船舶検査手帳は一緒に保管していることが多いため、証書を紛失した場合は手帳の有無も確認しましょう。
両方を紛失している場合は、それぞれについて再交付が必要になります。
船舶検査済票も確認する
船舶検査済票についても、剥がれていないか、紛失していないか確認しておきましょう。
証書だけでなく検査済票も紛失している場合は、併せて再交付を申請できます。
定期検査の時期を確認する
定期検査が間近であれば、通常の再交付を先に行う必要がない場合があります。
余分な費用や手続きを避けるためにも、船舶検査証書を紛失したら、次回の定期検査時期を確認しておくとよいでしょう。
船舶検査証書の再交付に関するまとめ
船舶検査証書を紛失、流失、汚損した場合は、再交付の手続きを行います。
一般的なJCI対象の小型船舶であれば、「船舶検査証書等再交付申請書」を準備し、必要書類をそろえたうえでJCIへ申請します。
船舶検査証書の再交付手数料は1通4,350円です。
また、郵送で申請することもできるため、JCI支部が遠い場合でも手続きを進められます。
一方、船名や所有者など証書の記載事項が変わった場合は、単純な再交付ではなく、書換や登録変更などの手続きが必要になる場合があります。
さらに、定期検査が近い場合は、定期検査後に新しい船舶検査証書が交付されるため、別途の再交付申請や再交付手数料が不要となる場合があります。
船舶検査証書をなくしたことに気付いたら、船舶検査手帳や船舶検査済票の有無、次回検査の時期などを確認し、自分の船を担当するJCI支部などへ早めに相談するとスムーズです。
以上、船舶検査証書を再発行する方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








