ライフジャケットの正しい着用方法について

目次

ライフジャケットの正しい着用方法

ライフジャケットは、ただ身につければよいというものではありません。
落水したときに体から抜けたり、大きくずれたりしないよう、体格に合った製品を選び、ベルトやバックル、ファスナーなどを正しく調整することが重要です。

また、固型式や膨脹式など種類によって着用方法や点検方法が異なります。
使用するライフジャケットの取扱説明書を確認したうえで、正しく装着しましょう。

自分の体格に合ったライフジャケットを選ぶ

適用体重やサイズを確認する

ライフジャケットを安全に使用するためには、まず自分の体格に合ったものを選ぶ必要があります。

サイズが大きすぎると、落水した際にライフジャケットが上方向へずれ、体が抜けやすくなる可能性があります。
一方、小さすぎるものでは、ファスナーやバックルを正常に閉じられなかったり、動きにくくなったりすることがあります。

製品に記載されている適用体重や胸囲などを確認し、自分の体格に合ったものを選びましょう。

子どもは適用体重を特に確認する

子ども用のライフジャケットを選ぶときは、年齢だけで判断するのではなく、体重や体格を確認することが大切です。

製品によって使用できる体重範囲が定められているため、現在の体格に適合するものを選びましょう。

「すぐに成長するから」と大きすぎるものを選ぶと、落水時に体から抜ける可能性があります。

なお、製品によっては一定の体重以上の子どもと大人が兼用できるものもあります。
そのため、「子どもには必ず子ども専用品を使う」と一律に考えるのではなく、製品ごとの適用条件を確認することが重要です。

ファスナーやバックルを確実に留める

ファスナーは指定された位置まで閉める

ファスナー付きのライフジャケットでは、ファスナーを途中までではなく、指定された位置まで確実に閉めます。

ファスナーを開けたまま使用すると、落水時にライフジャケットが大きくずれる可能性があります。

着用する際には、ファスナーが正常に動くか、破損していないかも確認しておきましょう。

バックルはすべて正しく留める

胸や腰などにバックルが付いている場合は、使用するすべてのバックルを確実に留めます。

バックルを留める際には、正常にロックされているかを確認してください。
破損や変形がある場合は、安全性に影響する可能性があるため、使用を避けたほうがよいでしょう。

一部のバックルだけを留めるなど、不完全な状態で着用しないことが大切です。

ベルトを体にフィットさせる

緩すぎないように調整する

バックルを留めたあとは、胸や腰などのベルトを調整します。

ライフジャケットが体から大きく浮かず、動いたときにも大きくずれない程度まで締めます。

ただし、呼吸や体の動きを妨げるほど強く締める必要はありません。
適度に体へフィットする状態に調整しましょう。

服装が変わったら再調整する

同じライフジャケットでも、着用する衣服によってフィット感は変化します。

夏場の薄着と、冬場の厚手の防寒着では必要なベルトの長さが異なります。

季節や服装が変わった場合は、その都度ベルトを調整してください。

股ベルトや股ひもは正しく使用する

装備されている場合は省略しない

ライフジャケットによっては、股ベルトや股ひもが付いています。

これらには、落水時にライフジャケットが上方向へずれたり、体から抜けたりするのを防ぐ役割があります。

股ベルトなどが付属している場合は、面倒だからと省略せず、メーカーが指定する方法で正しく装着しましょう。

子ども用では特に重要

子どもは大人より体が小さく、ライフジャケットがずれやすい場合があります。

そのため、股ベルト付きの製品では、正しく装着されているか大人が確認することが重要です。

着用後にフィットしているか確認する

大きくずれないことを確認する

ファスナーやバックル、ベルトを調整したら、実際に体を動かしてフィット状態を確認します。

腕を動かしたり、上半身をひねったりしたときに、ライフジャケットが大きく上下したり、体から離れたりしないか確認しましょう。

上方向へ簡単に抜けそうな場合は、ベルトが緩いか、サイズが合っていない可能性があります。

苦しすぎないことも確認する

安全のためには体へ密着させる必要がありますが、締めすぎにも注意が必要です。

呼吸が苦しくなったり、腕を動かしにくくなったりする場合は、適切な範囲で調整し直しましょう。

固型式ライフジャケットの着用方法

腕を通して前面を確実に固定する

固型式ライフジャケットは、内部に浮力材が入っており、膨らませなくても浮力を得られるタイプです。

ベスト型の場合は、左右の腕を通し、ファスナーやバックルを確実に留めます。
その後、ベルトを体に密着するよう調整します。

製品に股ベルトや腰ひもがある場合は、それらも正しく使用してください。

使用前に破損がないか確認する

固型式では、浮力材や表面の生地、バックル、ファスナー、ベルトなどに破損がないか確認します。

特に、長期間使用した製品では、生地の劣化や縫い目のほつれなどが発生していることがあります。

使用前に状態を確認し、異常がある場合は使用を控えましょう。

膨脹式ライフジャケットの着用方法

原則として一番外側に着用する

膨脹式ライフジャケットは、水に落ちたり作動索を引いたりすると、気室が膨らんで浮力を得るタイプです。

正常に膨脹できるよう、原則として合羽やジャケットなどの下に隠さず、一番外側に着用します。

衣服の下に装着すると、膨らむ際に衣服が邪魔になったり、作動索をすぐに引けなくなったりする可能性があります。

作動索をすぐ引ける状態にする

膨脹式ライフジャケットには、緊急時に手動で膨らませるための作動索が付いているものがあります。

作動索が衣服やバッグ、釣具などに隠れていないか確認し、必要なときにすぐつかめる状態にしておきましょう。

自動膨脹式であっても、製品によっては手動操作が必要になる場合があるため、事前に操作方法を確認しておくことが大切です。

ガスボンベや作動装置を確認する

膨脹式では、使用前にガスボンベが正しく装着されているか確認します。

また、作動済みではないか、部品が破損していないか、交換期限などが設定されていないかも確認してください。

一度使用したガスボンベは再使用せず、メーカーが指定する新しいボンベに交換する必要があります。

交換方法についても、必ず取扱説明書に従いましょう。

気室に異常がないか確認する

膨脹式では、膨らんだ空気を保持する気室が破損していると、十分な浮力を維持できない可能性があります。

気室やカバーに破れや傷がないか確認しましょう。

製品によっては、補助送気口から空気を入れて気密性を確認する点検方法が指定されている場合もあります。
具体的な点検方法はメーカーの取扱説明書に従ってください。

ウエストベルト型の使い方も事前に確認する

膨脹後の形状を理解しておく

ウエストベルト型やウエストポーチ型の膨脹式ライフジャケットは、ベスト型とは使用方法が異なる場合があります。

膨らんだあとに気室を体の前へ移動させたり、バックルを追加で留めたりする製品もあります。

緊急時になって初めて使い方を確認するのではなく、事前に取扱説明書を読み、膨脹後にどのような形になるのか理解しておきましょう。

ライフジャケットのポケットに物を入れすぎない

重い物を大量に入れない

釣り用ライフジャケットなどには、大きなポケットが付いていることがあります。

便利だからといって大量の道具や重い物を収納すると、浮力性能や水中での姿勢に影響を与える可能性があります。

必要以上に重い物を入れず、安全性を優先して使用しましょう。

使用前には毎回点検する

本体やベルトなどを確認する

ライフジャケットは、紫外線や海水、摩擦、経年劣化などによって徐々に傷むことがあります。

使用前には、少なくとも次のような部分を確認しましょう。

・本体に破れや大きな傷がないか
・縫い目がほつれていないか
・バックルが正常に固定できるか
・ファスナーが正常に動くか
・ベルトやひもが傷んでいないか
・反射材に大きな損傷がないか
・ホイッスルが付いている場合は正常に使用できるか
・膨脹式ではボンベや作動装置に異常がないか

異常が見つかった場合は、そのまま使用せず、メーカーなどへ相談することが安全です。

小型船舶では桜マークも確認する

桜マークは国の安全基準への適合を示す

日本の小型船舶で法令上必要となるライフジャケットでは、国土交通省が定める安全基準に適合した製品を使用する必要があります。

型式承認を受けた小型船舶用救命胴衣などには、いわゆる「桜マーク」が表示されています。

船に乗るために購入する場合は、単に「ライフジャケット」と表示されているだけでなく、必要な基準を満たした製品か確認しましょう。

桜マーク付きなら何でもよいわけではない

桜マークのあるライフジャケットには、Type A・Type D・Type F・Type Gなどの種類があります。

使用できるタイプは、船の用途や航行区域などによって異なります。

そのため、桜マークが付いているかだけではなく、乗船する船舶や使用環境に適したタイプであるかも確認する必要があります。

小型船舶では着用義務がある場合がある

船室外では原則として着用が必要

日本では、小型船舶の船室外に乗船する場合など、法令上ライフジャケットの着用が必要になるケースがあります。

たとえば、水上オートバイに乗る場合、12歳未満の子どもが小型船舶に乗る場合、小型漁船で1人で漁ろうを行う場合などが該当します。

また、小型船舶の暴露甲板に乗船する場合も、原則として着用が求められます。

一部には適用除外もある

一方で、船室内にいる場合や、一定の転落防止措置が取られている場合など、着用義務の適用除外となるケースもあります。

具体的な適用条件は状況によって異なるため、船に乗る場合は国土交通省や日本小型船舶検査機構などの最新情報を確認しましょう。

ライフジャケットで避けたい間違った着用方法

ファスナーやバックルを開けたまま使う

ファスナーを開けたままにしたり、一部のバックルだけを留めたりすると、落水時にライフジャケットが大きくずれる可能性があります。

装備されている固定部分は、取扱説明書どおりに使用しましょう。

ベルトを緩めたままにする

ベルトが緩い状態では、落水したときにライフジャケットが上方向へずれやすくなります。

着用するだけで安心せず、必ず体に合わせて調整してください。

股ベルトを使わない

股ベルト付きの製品で股ベルトを使用しないと、落水時にライフジャケットが上方向へ抜けやすくなる可能性があります。

付属している場合は正しく装着しましょう。

膨脹式を衣服の下に隠す

膨脹式ライフジャケットを合羽や上着の下に装着すると、正常な膨脹や作動索の操作を妨げる可能性があります。

原則として一番外側に着用してください。

正しい着用方法を覚えて安全性を高めよう

ライフジャケットの正しい着用で特に重要なのは、自分の体格に合った製品を選び、ファスナーやバックル、ベルト、股ベルトなどを確実に使用して体へフィットさせることです。

さらに、膨脹式では作動索やガスボンベの状態を確認し、一番外側に正しく着用する必要があります。

ライフジャケットは、着用しているだけで必ず安全が確保されるものではありません。
正しい選び方、着用方法、使用前点検までをセットで行うことが大切です。

また、製品ごとに構造や操作方法が異なるため、実際に使用する際は必ず取扱説明書を確認してください。
水辺や船上では、落水してから装着するのではなく、落水する可能性がある場所へ出る前から正しく着用しておきましょう。

以上、ライフジャケットの正しい着用方法についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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