船検査にかかる費用や料金の目安
船検査にかかる費用は、船の長さや旅客定員、検査の種類によって異なります。
また、実際に支払う総額には、JCI(日本小型船舶検査機構)へ支払う法定の検査手数料だけでなく、法定備品の購入費や整備費、業者へ依頼する場合の代行費などが加わることがあります。
そのため、船検の費用を確認するときは、「検査手数料」と「その他の付随費用」を分けて考えることが大切です。
なお、JCIの小型船舶検査に関する法定手数料は、2026年7月1日以降の申請分から改定されています。
古いWebサイトや過去の記事に掲載されている料金とは異なる場合があるため、現在の料金を確認する必要があります。
船検査で必要になる主な費用
船検査に関連して発生する費用には、主に次のようなものがあります。
- JCIへ支払う検査手数料
- 法定備品の購入・交換費
- 船体や機関などの整備・修理費
- 販売店やマリーナなどへ依頼する場合の代行費
- 船を検査場所まで移動させるための運搬費
- 必要に応じた証書の書換・再交付手数料
- 振込手数料や郵送費など
この中で金額が明確に決められているのが、JCIへ支払う法定の検査手数料です。
検査手数料は主に、「船の長さ」「旅客定員」「検査の種類」によって決まります。
一方、航行区域によって必要となる設備や法定備品が異なる場合があるため、結果として船検にかかる総費用に差が出ることがあります。
定期検査にかかる費用
定期検査は、小型船舶が一定期間ごとに受ける必要がある基本的な船舶検査です。
旅客定員が12人までの場合、2026年7月1日以降の申請に適用される定期検査手数料は以下のとおりです。
| 船の長さ | 定期検査手数料 |
|---|---|
| 3m未満 | 13,100円 |
| 3m以上5m未満 | 19,000円 |
| 5m以上10m未満 | 27,800円 |
| 10m以上20m未満 | 35,200円 |
| 20m以上30m未満 | 49,800円 |
5m以上10m未満なら27,800円が目安
たとえば、船の長さが5m以上10m未満で、旅客定員が12人までのプレジャーボートであれば、定期検査の法定手数料は27,800円です。
ただし、この27,800円はあくまでJCIへ支払う検査手数料です。
法定備品の交換や船体・機関の整備が必要な場合には、別途費用が発生します。
中間検査にかかる費用
船舶によっては、定期検査と次の定期検査の間に中間検査を受ける必要があります。
旅客定員12人までの場合の中間検査手数料は以下のとおりです。
| 船の長さ | 中間検査手数料 |
|---|---|
| 3m未満 | 5,900円 |
| 3m以上5m未満 | 9,500円 |
| 5m以上10m未満 | 17,200円 |
| 10m以上20m未満 | 22,200円 |
| 20m以上30m未満 | 32,300円 |
5m以上10m未満なら17,200円
5m以上10m未満、旅客定員12人までの船であれば、中間検査の法定手数料は17,200円です。
定期検査よりも検査範囲が限定されるため、一般的に中間検査のほうが手数料は低く設定されています。
旅客定員13人以上の場合の船検料金
船検の料金は、旅客定員によっても異なります。
旅客定員が13人以上の場合には、旅客定員12人までの場合よりも定期検査・中間検査の料金が高くなります。
| 船の長さ | 定期検査 | 中間検査 |
|---|---|---|
| 3m未満 | 18,700円 | 10,200円 |
| 3m以上5m未満 | 27,300円 | 15,400円 |
| 5m以上10m未満 | 39,100円 | 25,700円 |
| 10m以上20m未満 | 52,800円 | 34,000円 |
| 20m以上30m未満 | 72,200円 | 49,300円 |
たとえば5m以上10m未満の船の場合、旅客定員12人までなら定期検査は27,800円ですが、旅客定員13人以上では39,100円となります。
船検費用を調べる際には、船の長さだけでなく、船舶検査証書などに記載されている旅客定員についても確認しておきましょう。
臨時検査にかかる費用
船舶の構造や設備などに一定の変更を行った場合には、定期検査や中間検査とは別に臨時検査が必要になることがあります。
臨時検査や臨時航行検査の手数料は、臨検回数1回につき以下のとおりです。
| 船の長さ | 臨時検査・臨時航行検査 |
|---|---|
| 3m未満 | 5,600円 |
| 3m以上5m未満 | 6,400円 |
| 5m以上10m未満 | 7,600円 |
| 10m以上 | 9,500円 |
改造した場合は事前確認が重要
エンジンや船体、設備などを変更した場合でも、すべての変更で臨時検査が必要になるとは限りません。
変更内容によって必要な手続きが異なるため、大きな改造や設備変更を行う場合には、事前にJCIへ確認しておくと安心です。
船舶検査証書などの手続きにかかる費用
船検そのものだけでなく、船舶検査証書や船舶検査手帳などの書換・再交付にも手数料がかかります。
主な手数料は以下のとおりです。
| 手続き | 手数料 |
|---|---|
| 船舶検査証書の書換 | 4,350円/1通 |
| 船舶検査証書の再交付 | 4,350円/1通 |
| 船舶検査手帳の再交付 | 5,500円/1通 |
| 船舶検査済票の再交付 | 4,100円/1通 |
証書を紛失した場合は再交付手続きが必要
船舶検査証書や船舶検査手帳などを紛失した場合には、再交付手続きが必要になります。
船検を受ける直前になって書類が見つからないことがないように、検査証書や検査手帳は普段から適切に保管しておきましょう。
定期検査と中間検査では証書の扱いが異なる
定期検査では、新しい船舶検査証書が交付されます。
そのため、通常の証書交付にかかる費用は定期検査手数料に含まれています。
一方、中間検査では通常、新しい船舶検査証書は交付されません。
そのため、中間検査と同時に定員変更などを行い、船舶検査証書を書き換える場合には、別途書換手数料が必要になることがあります。
法定備品の交換費用が発生する場合がある
船検を受ける際には、その船舶に必要な法定備品が適切に備えられているか確認されます。
必要となる備品は、船舶の種類や航行区域、設備条件などによって異なります。
救命設備や信号設備などを確認する
船によっては、救命胴衣や救命浮環、信号設備、消火設備などが必要になります。
ただし、すべての船で同じ備品が一律に必要になるわけではありません。
船種や航行区域などによって必要な設備が異なるため、自分の船に必要な法定備品を事前に確認しておくことが重要です。
有効期限が設定されている備品や、劣化・破損している備品については、検査前に交換が必要になることがあります。
その場合、JCIへ支払う検査手数料とは別に購入費がかかります。
船体やエンジンの整備費がかかる場合もある
船検を受けるために、船体や機関などの整備が必要になるケースもあります。
たとえば、次のような部分に不具合がある場合には、修理や交換が必要になることがあります。
- エンジン
- 燃料系統
- 操舵装置
- 電装設備
- バッテリー
- 灯火設備
- 船体
- 安全設備
整備費は船の状態によって大きく異なる
整備費や修理費には、JCIの検査手数料のような全国一律の料金はありません。
船の状態、使用する部品、修理内容、依頼する業者などによって大きく異なります。
そのため、「船検の整備費は一律で○万円」と考えるのではなく、必要に応じて販売店や整備業者へ見積もりを依頼することが重要です。
販売店やマリーナへ依頼すると代行費がかかることがある
船検の申請は、船の所有者自身で行うこともできます。
一方、ボート販売店やマリーナなどに船検手続きを依頼することも可能です。
代行費はJCIの法定手数料とは別
業者に船検を依頼した場合には、JCIへ支払う法定手数料とは別に、業者独自の代行費がかかることがあります。
さらに、
- 書類作成
- 法定備品の確認
- 船体やエンジンの点検
- 検査場所までの船の移動
- 検査の立ち会い
などを依頼すれば、その内容に応じて費用が加算される場合があります。
業者へ依頼する場合には、見積金額に「JCIの検査手数料」「代行費」「整備費」「部品代」「運搬費」のどこまでが含まれているのかを確認しておきましょう。
船の運搬費が必要になる場合がある
船を検査場所まで移動させる必要がある場合には、運搬に関する費用も考慮する必要があります。
トレーラーボートを自分で運ぶ場合には、燃料代や高速道路料金などが発生します。
業者へ陸送を依頼する場合には、別途運搬費がかかります。
検査を申し込む際には、利用するJCI支部や検査場所、持ち込み検査の方法などをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
郵送や振り込みに関する費用にも注意
JCIへの検査手数料そのものとは別に、支払い方法や書類の受け取り方法によって付随費用が発生する場合があります。
振込手数料は別途負担する場合がある
銀行や郵便局などから検査手数料を振り込む場合、金融機関へ支払う振込手数料が必要になることがあります。
これはJCIの検査手数料とは別の費用です。
証書類の郵送費が必要になる場合もある
検査関係の証書類を郵送で受け取る場合には、郵送費が利用者負担となる場合があります。
ただし、JCIが取り扱うすべての書類について一律に郵送費が別途必要になるわけではありません。
登録関係の書類などでは手数料に郵送費が含まれているケースもあるため、手続きごとに確認することが重要です。
中古船を購入した場合は登録費用がかかることもある
中古艇を購入した場合には、船検だけでなく所有者の変更などに関する登録手続きが必要になる場合があります。
たとえば、移転登録の手数料は3,350円です。
中古船は検査費用だけで判断しない
5m以上10m未満、旅客定員12人までの船で定期検査を受け、さらに移転登録が必要になると仮定すると、
定期検査27,800円+移転登録3,350円=31,150円
となります。
ただし、31,150円はあくまで特定の条件を想定した一例です。
中古艇では、残っている船検の有効期間や登録状況、船舶検査証書の変更内容などによって必要な手続きが変わります。
そのため、中古船を購入する場合には、船検の残存期間や登録状況を確認してから費用を計算することが重要です。
船検査の費用を船の長さ別に確認
旅客定員12人までの船であれば、法定の検査手数料は次のように整理できます。
3m未満の船
定期検査は13,100円です。
中間検査は5,900円です。
3m以上5m未満の船
定期検査は19,000円です。
中間検査は9,500円です。
5m以上10m未満の船
定期検査は27,800円です。
中間検査は17,200円です。
プレジャーボートなどで船検費用を調べている場合には、この区分を確認するケースも多いでしょう。
10m以上20m未満の船
定期検査は35,200円です。
中間検査は22,200円です。
船が大きくなるほど、基本的な検査手数料も高くなります。
船検料金は2026年7月に改定されている
船検費用をインターネットで調べる場合には、掲載されている情報がいつの料金なのかを必ず確認しましょう。
JCIでは、2026年7月1日以降の申請分から小型船舶検査などの手数料を改定しています。
古い船検料金が掲載されているWebサイトもある
たとえば、旅客定員12人まで、5m以上10m未満の船では、料金改定前は定期検査24,300円、中間検査14,900円でした。
現在は、
定期検査27,800円
中間検査17,200円
となっています。
そのため、「定期検査24,300円」「中間検査14,900円」と掲載されている情報は、現在の料金ではない可能性があります。
船検費用を調べる際には、JCIの最新料金を確認することが重要です。
船検査にかかる総額の考え方
船検にかかる費用は、JCIへ支払う検査手数料だけではありません。
実際の総費用は、
「法定検査手数料+法定備品代+整備・修理費+代行費+運搬費+必要に応じた各種手続き費用」
と考えると分かりやすいでしょう。
自分で手続きすれば費用を抑えやすい
船の状態や法定備品に問題がなく、所有者自身で申請や検査対応を行うのであれば、JCIの法定手数料を中心とした比較的シンプルな費用で済む場合があります。
一方、マリーナや販売店へ手続きを依頼したり、検査前に船体や機関の整備が必要になったりすれば、総費用は高くなります。
船検査の費用を確認するときのポイント
船検料金を調べるときは、「船検○万円」といった金額だけで判断しないことが重要です。
同じ「船検費用」という表現でも、
- JCIの法定検査手数料だけを指している場合
- 法定備品代まで含んでいる場合
- 業者の代行費まで含んでいる場合
- 整備費や修理費まで含んでいる場合
があります。
特に業者の見積もりを比較するときには、金額だけでなく、どこまでの作業や費用が含まれているのかを確認しましょう。
船検に必要な法定料金そのものは船の長さや旅客定員、検査の種類からある程度把握できます。
しかし、実際に必要となる総費用は船の状態や必要な備品、依頼方法によって変わります。
まずは船舶検査証書などで船の長さや旅客定員、次回検査の種類を確認し、そのうえで必要な法定手数料と付随費用を計算することが、船検費用を正確に把握するポイントです。
以上、船検査にかかる費用や料金の目安についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










