ゴムボートの船検にかかる費用について

目次

ゴムボートの船検にかかる費用はどれくらい?

ゴムボートに船外機を取り付けて使用する場合、条件によっては船舶検査、いわゆる「船検」を受ける必要があります。

船検にかかる費用は、ゴムボートだから一律で決まっているわけではありません。
基本的には、船の長さや検査の種類によって手数料が変わります。

また、ゴムボートの大きさや船外機の出力によっては、そもそも船検が不要となる場合もあります。

そのため、船検費用を確認するときは、単に検査料金を見るだけでなく、「自分のゴムボートが船検の対象になるかどうか」を最初に確認することが重要です。

ゴムボートの船検費用の目安

一般的なレジャー用ゴムボートは、旅客定員12人以下に該当するケースが多くなります。

この場合、船の長さに応じて定期検査や中間検査の手数料が決まります。

3m未満のゴムボート

船の長さが3m未満の場合、旅客定員12人以下であれば、検査手数料は以下が目安です。

・定期検査:13,100円
・中間検査:5,900円

コンパクトなフィッシング用ゴムボートなどでは、この区分に該当することがあります。

3m以上5m未満のゴムボート

船の長さが3m以上5m未満の場合は、以下の料金が基本です。

・定期検査:19,000円
・中間検査:9,500円

サイズの大きなインフレータブルボートや、複数人で使用するゴムボートなどでは、この区分に入る可能性があります。

5m以上のゴムボート

5m以上になると、さらに検査手数料が高くなります。

例えば、5m以上10m未満の場合は、定期検査27,800円、中間検査17,200円です。

ただし、一般的なレジャー用ゴムボートの場合は、3m未満または3m以上5m未満に収まるケースが多いでしょう。

2馬力のゴムボートは船検が不要になる場合がある

ゴムボートの船検費用を考えるうえで、特に重要なのが「船検不要となる条件」です。

一定の条件を満たす小型のボートについては、船検を受けずに使用できる場合があります。

船検不要となる主な条件

一般的に、以下の条件を満たす船舶は船検の対象外となります。

・船の長さが3m未満
・推進機関の連続最大出力が1.5kW未満

1.5kWは約2.039馬力に相当します。

そのため、市販されている一般的な2馬力船外機であれば、出力条件を満たすケースが多くなります。

例えば、船検上の長さが3m未満で、1.5kW未満の2馬力船外機を搭載しているゴムボートであれば、原則として船検は不要です。

この場合、船検手数料はかかりません。

「2馬力以下なら必ず船検不要」ではない

注意したいのは、「2馬力なら必ず船検不要」というわけではないことです。

正式な基準は「2馬力以下」ではなく、「連続最大出力1.5kW未満」です。

さらに、船の長さについても3m未満である必要があります。

つまり、

「船の長さ3m未満」
かつ
「推進機関1.5kW未満」

という両方の条件を満たすことが重要です。

ゴムボートの「3m未満」は全長とは限らない

船検が必要かどうかを判断するときに、特に間違いやすいのが「3m未満」という基準です。

これは、商品ページなどに記載されているボートの全長がそのまま基準になるとは限りません。

一般的には登録長さで判断される

小型船舶では、通常、登録長さをもとに判断されます。

一般的な目安としては、

「全長×0.9」

で登録長さを算出します。

例えば、全長3.2mのゴムボートの場合、

3.2m×0.9=2.88m

となるため、登録長さでは3m未満になる可能性があります。

ただし、すべての船で単純にこの計算式だけを使えばよいわけではありません。

船型や構造によって判断が異なる場合があるため、実際に船検が必要か確認するときは、メーカーの仕様書や予備検査証書などを確認することが大切です。

5馬力や6馬力のゴムボートは船検が必要になることが多い

ゴムボートに5馬力や6馬力などの船外機を搭載すると、1.5kW未満という船検免除条件を超えます。

そのため、一般的なレジャー用途では原則として船検が必要になります。

3m未満でも5馬力なら船検が必要

例えば、船検上の長さが2.9mのゴムボートであっても、5馬力の船外機を搭載する場合は、ミニボートとしての船検免除条件から外れます。

この場合、旅客定員12人以下であれば、定期検査手数料は13,100円が基本となります。

つまり、

「3m未満だから船検不要」

というわけではありません。

長さだけではなく、船外機の出力も確認する必要があります。

2馬力にエレキを追加する場合も注意が必要

2馬力船外機を使用している場合でも、別の推進装置を追加すると船検が必要になる場合があります。

代表的なのが、エレキモーターを併用するケースです。

推進機関の合計出力で判断される

船検免除の基準となる1.5kW未満という条件は、搭載する推進機関の出力を考慮して判断されます。

例えば、2馬力船外機に加えて推進用のエレキモーターを搭載し、合計出力が1.5kW以上になる場合には、船検が必要になる可能性があります。

「2馬力船外機だから船検不要」と考えるのではなく、搭載している推進機関全体を確認することが重要です。

初めてゴムボートの船検を受ける場合の費用

初めて船検を取得する場合も、基本となる検査手数料は船の長さによって決まります。

例えば、船検上の長さが3m未満で旅客定員12人以下なら、定期検査手数料は13,100円です。

ただし、実際に必要となる総費用は検査手数料だけとは限りません。

法定備品の購入費がかかる場合がある

船検を受ける際は、航行区域や最大搭載人員などに応じた法定備品を用意する必要があります。

必要となる設備には、救命設備、消防設備、係船設備、信号設備などがあります。

すでに必要な備品がそろっていれば追加費用を抑えられますが、新たに購入する場合には船検手数料とは別に費用がかかります。

マリンショップの代行料がかかる場合もある

自分でJCIへ申請するのではなく、販売店やマリンショップへ船検の手続きを依頼することもできます。

この場合、JCIへ支払う検査手数料とは別に、申請代行料や検査立会い費用などが加算される場合があります。

そのため、ショップから「船検費用○万円」と案内された場合は、検査手数料だけなのか、代行料や法定備品まで含まれているのかを確認するとよいでしょう。

予備検査済みのゴムボートなら船検を受けやすい

将来的に5馬力や6馬力の船外機を使用する予定がある場合は、「予備検査済み」のゴムボートを選ぶと手続きしやすくなります。

予備検査とは

予備検査とは、船舶を製造した段階などで、船体や設備が技術基準に適合しているかあらかじめ確認する検査です。

予備検査に合格している船体であれば、実際に船検を受ける際に、一部の検査を省略できる場合があります。

そのため、

「最初は2馬力で使う」
「将来的には5馬力や6馬力に変更したい」

と考えている場合は、予備検査済みのゴムボートを選んでおくと安心です。

最大搭載馬力も確認しておく

予備検査済みであっても、どの船外機でも自由に搭載できるわけではありません。

船体には、最大搭載馬力や最大搭載人員などが設定されています。

購入時には、

・予備検査済みか
・最大何馬力まで搭載できるか
・最大搭載人員は何人か

などを確認しておくことが重要です。

予備検査を受けていないゴムボートは費用や手間が増えることがある

予備検査を受けていないゴムボートでも、船検を取得できる可能性はあります。

ただし、船体の仕様や状況によっては、予備検査済みの製品よりも詳細な確認が必要になる場合があります。

強度や気密性などの確認が必要になる場合がある

予備検査を受けていないゴムボートの初回検査では、船体の構造に応じて、

・主要寸法
・気密性
・船体強度
・安定性
・操船性能
・航走性能

などについて確認が行われる場合があります。

そのため、海外製のゴムボートや予備検査を受けていない製品を購入してから船検を取得しようとすると、必要な資料や試験が増える可能性があります。

将来的に船検を取る予定があるなら、購入前にJCIや販売店へ確認しておくことが重要です。

ゴムボートには定期検査と中間検査がある

船検は、一度取得すれば永久に有効というものではありません。

継続して使用する場合には、決められた時期に定期検査や中間検査を受ける必要があります。

3m未満の場合

旅客定員12人以下で3m未満の場合は、

・定期検査:13,100円
・中間検査:5,900円

です。

3m以上5m未満の場合

3m以上5m未満の場合は、

・定期検査:19,000円
・中間検査:9,500円

となります。

そのため、船検が必要なゴムボートを長期間使用する場合は、購入時の初回検査だけでなく、その後の維持費も考えておく必要があります。

臨時検査が必要になる場合もある

船外機や船体の仕様を変更した場合などには、定期検査や中間検査とは別に、臨時検査が必要になることがあります。

臨時検査の対象となる主な変更

例えば、

・船体の主要寸法を変更した
・船体強度に影響する改造をした
・主機を変更した
・最大搭載人員を変更した
・航行区域を変更した

といったケースでは、臨時検査が必要になる場合があります。

5m未満の船舶については、臨時検査・臨時航行検査の手数料は5,600円が基本です。

ただし、すべての船外機交換で必ず臨時検査が必要になるわけではないため、変更を行う前にJCIへ確認すると安心です。

ゴムボートは船検と船舶登録を分けて考える

船検と船舶登録は別の制度です。

ここは非常に間違いやすいポイントなので注意が必要です。

3m未満・20馬力未満なら登録対象外となる場合がある

小型船舶登録では、長さ3m未満で、推進機関の連続最大出力が20馬力未満の船舶は、原則として登録対象外となります。

例えば、

「長さ2.9m・5馬力」

というゴムボートの場合、船舶登録は不要でも、船検については1.5kW以上となるため必要になる可能性があります。

つまり、

登録不要=船検不要

ではありません。

この2つは別々に判断する必要があります。

登録対象の船は別途手数料がかかる

登録対象となる船舶では、船検とは別に新規登録などの手数料が必要になります。

例えば、新規登録手数料は、

・3m未満:5,500円
・3m以上5m未満:7,900円

が基本です。

ただし、一般的な3m未満・5馬力や6馬力程度のゴムボートであれば、登録対象外となる場合があります。

そのため、船検費用と登録費用を必ずセットで考える必要はありません。

中古ゴムボートを購入する場合の費用

中古の船検付きゴムボートを購入する場合は、購入価格以外に手続き費用が発生することがあります。

登録対象船なら移転登録が必要になることがある

登録されている小型船舶を購入した場合は、所有者変更に伴って移転登録が必要になることがあります。

移転登録手数料は3,350円です。

ただし、そもそも小型船舶登録の対象外となるゴムボートについては、この移転登録手続きは通常必要ありません。

船舶検査証書の書換が必要になる場合もある

中古艇の購入や記載事項の変更に伴い、船舶検査証書の書換が必要になる場合があります。

書換手数料は4,350円が基本です。

ただし、変更内容や定期検査との同時申請などによっては、手数料が不要となる場合もあります。

中古ゴムボートを購入するときは、

・船検の有効期間
・次回の検査時期
・搭載できる船外機
・航行区域
・最大搭載人員
・登録の有無

などを確認しておくことが重要です。

ゴムボートの船検費用の具体例

実際の使用状況を想定すると、船検費用の違いが分かりやすくなります。

3m未満・2馬力の場合

船検上の長さが3m未満で、船外機の連続最大出力が1.5kW未満の場合は、原則として船検不要です。

そのため、

船検手数料:0円

となります。

3m未満・5馬力の場合

船検上の長さが3m未満でも、5馬力船外機を搭載すると1.5kW未満という条件を超えます。

一般的なレジャー用途では、原則として船検が必要になります。

旅客定員12人以下の場合は、

・定期検査:13,100円
・中間検査:5,900円

が基本です。

3m以上5m未満・6馬力の場合

船検上の長さが3m以上5m未満で6馬力船外機を搭載する場合は、

・定期検査:19,000円
・中間検査:9,500円

が基本です。

このほか、法定備品や代行料などが必要になる場合があります。

ゴムボートの船検手数料以外にかかる費用

実際の船検総額を考える場合は、JCIへ支払う手数料だけではなく、周辺費用も考慮する必要があります。

法定備品

航行区域などに応じて、救命設備や信号設備などを用意する必要があります。

不足しているものを新たに購入する場合は、その購入費がかかります。

運搬費

ゴムボートや船外機を検査場所まで運ぶ必要がある場合には、車両費や燃料費などが発生する可能性があります。

郵送費

検査関係の書類や証書を郵送で受け取る場合には、検査手数料とは別に郵送費が必要になることがあります。

船検代行料

販売店やマリンショップへ手続きを依頼する場合は、別途代行手数料が必要になる場合があります。

整備・修理費

検査時に不具合が見つかった場合は、修理や部品交換が必要になることもあります。

そのため、「船検13,100円」と表示されていても、実際の総支払額が13,100円だけで済むとは限りません。

ゴムボートの船検費用を抑えるポイント

船検が必要になる可能性があるなら、ボート購入時から将来の船検を意識しておくことが重要です。

予備検査済みのモデルを選ぶ

将来的に5馬力や6馬力へ変更する可能性がある場合は、予備検査済みのゴムボートを選ぶと手続きがスムーズになります。

使用予定の船外機に対応しているか確認する

購入前に、

「このゴムボートに5馬力を搭載して船検を取得できるか」

などを販売店へ確認しておくと安心です。

「最大6馬力対応」と商品ページに記載されている場合でも、希望する仕様でそのまま船検を取得できるとは限りません。

船検不要の条件を満たすか確認する

近距離の釣りなどで2馬力程度で十分な場合は、船検不要の条件を満たすゴムボートを選ぶことで、検査手数料や継続的な船検費用を抑えられる可能性があります。

ただし、安全装備や航行ルールまで不要になるわけではありません。

ゴムボートの船検費用まとめ

ゴムボートの船検費用は、船体がゴム製かどうかではなく、主に船の長さや検査の種類によって決まります。

一般的な旅客定員12人以下の船舶では、

3m未満
・定期検査:13,100円
・中間検査:5,900円

3m以上5m未満
・定期検査:19,000円
・中間検査:9,500円

が基本的な手数料です。

一方、船の長さが3m未満で、推進機関の連続最大出力が1.5kW未満であれば、原則として船検は不要です。

そのため、一般的な2馬力ゴムボートでは、条件を満たせば船検費用がかからない場合があります。

反対に、3m未満であっても5馬力や6馬力などの船外機を搭載すれば、原則として船検が必要になります。

ゴムボートを購入するときは、船検手数料だけを見るのではなく、

「船検が必要か」
「船舶登録が必要か」
「予備検査済みか」
「法定備品がそろっているか」
「将来的に何馬力の船外機を使うか」

まで確認しておくことが重要です。

特に、船舶登録が不要でも船検が必要になるケースがあるため、「登録不要=船検不要」と混同しないよう注意しましょう。

以上、ゴムボートの船検にかかる費用についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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