船検シールとは
「船検シール」とは、小型船舶の船体に貼り付ける船舶検査関係の表示を一般的に表した呼び方です。
正式には、主に「船舶検査済票」と「次回検査時期指定票」があります。
船舶検査済票は、その船舶が所定の船舶検査に合格したことを外部から確認できるようにするための表示です。
次回検査時期指定票は、次に定期検査または中間検査を受ける期限の年・月を確認するために使用されます。
どちらも単なるステッカーではなく、小型船舶を適切に航行・管理するうえで重要な表示です。
船検シールには主に2種類ある
船舶検査済票
船舶検査済票は、船舶検査に合格したことを示すための表示です。
小型船舶の場合、船体の両側に貼り付けることで、外部から検査を受けた船舶であることを確認できるようになっています。
また、登録対象となる小型船舶では、船舶検査済票に記載された番号が船舶番号の番号部分と共通しています。
そのため、船舶検査済票と船籍港がある都道府県名を組み合わせて表示することで、船舶番号の表示を兼ねる仕組みになっています。
次回検査時期指定票
次回検査時期指定票は、次回の定期検査または中間検査の期限となる年・月を示す表示です。
船体を見ることで、次回の船検時期を確認しやすくなります。
ただし、次回検査時期指定票だけでは正確な受検期間までは分かりません。
具体的な検査期間を確認するときは、船舶検査手帳に記載されている「検査の時期」も確認する必要があります。
船検シールの役割
船舶検査に合格していることを示す
船舶検査済票の大きな役割は、船舶検査に合格した船であることを外部から確認できるようにすることです。
船舶検査は、船体や機関、法定備品などが所定の基準を満たしているかを確認するために行われます。
検査に合格すると船舶検査証書などが交付され、船体には船舶検査済票を表示します。
船舶を識別する役割がある
登録対象となる小型船舶では、船舶番号を船体に表示する必要があります。
船舶検査済票に表示されている番号部分と、船籍港の都道府県名を組み合わせることで、船舶番号を表示できます。
たとえば、船舶検査済票の近くに船籍港の都道府県名を適切に表示することで、船舶を識別できるようになります。
なお、登録対象外の船舶では、都道府県名の表示が不要となる場合があります。
次回の船検時期を確認できる
次回検査時期指定票には、次に受けるべき定期検査または中間検査の期限となる年・月が表示されています。
そのため、検査時期の管理にも役立ちます。
船検の期限を過ぎたまま航行すると問題になるため、船舶所有者は次回の検査時期を把握しておくことが重要です。
船検シールはどこに貼る?
船体両側の見やすい場所に貼る
船舶検査済票と次回検査時期指定票は、基本的に船体両側の見やすい場所に貼り付けます。
つまり、右舷側と左舷側のそれぞれに表示する必要があります。
片側だけに貼ったり、船内など外部から確認しにくい場所に貼ったりするのは適切ではありません。
外部から番号や表示内容を容易に確認できる位置を選びましょう。
次回検査時期指定票も併せて貼る
船舶検査済票だけを貼り、次回検査時期指定票を船内で保管するのではなく、両方を適切に表示することが大切です。
次回検査時期指定票が貼られていないと、検査を受けていない船舶や検査切れの船舶と誤認される可能性があります。
そのため、船舶検査済票と次回検査時期指定票を、船体両側の確認しやすい場所に併せて貼り付けるようにしましょう。
船検シールの正しい貼り方
貼る位置をあらかじめ決める
最初に、右舷側と左舷側のどこに貼るかを決めます。
船体形状によって適した場所は異なりますが、船外から確認しやすく、他の装備品などに隠れない位置を選ぶことが基本です。
曲面が大きい場所や、頻繁に擦れる場所なども避けたほうがよいでしょう。
貼付面をきれいにする
シールを貼る前に、船体表面をきれいにしておきます。
特に油脂分が残っていると、シールがうまく密着せず、剥がれやすくなる原因になります。
汚れや油分を除去し、表面が十分に乾いた状態で貼り付けましょう。
傾きやしわに注意して貼る
貼る位置を決めたら、表示内容が確認しやすい向きで貼ります。
大きく傾いたり、しわや浮きが生じたりしないように注意しながら貼り付けます。
貼り付け後は、シール全体をしっかり押さえて船体に密着させます。
シールの端までしっかり密着させる
船検シールは、波しぶきや雨、洗艇などによって水にさらされます。
端が浮いていると、その部分から水が入り込んで剥がれやすくなることがあります。
貼り付けた後は、特に四隅や端が浮いていないか確認しておくと安心です。
船検シールを貼るときの注意点
高圧洗浄機を直接当てない
船体を洗浄するときは、船検シールに高圧洗浄機の水流を直接当てないよう注意しましょう。
強い水圧がシールの端にかかると、剥がれる原因になる可能性があります。
特に船体洗浄を頻繁に行う場合は、シール周辺では水圧を弱めるなどの対策をするとよいでしょう。
ゴムボートや木船などは剥がれに注意する
船体の材質によっては、一般的な船体よりもシールが剥がれやすい場合があります。
日本小型船舶検査機構では、ゴムボート、木船、鉄船などについて、船舶検査済票が剥がれやすい材質の船舶として注意を案内しています。
このような船舶では、船体の状態を確認しながら、適切な方法で表示することが重要です。
貼らずに長期間保管しない
船舶検査済票を受け取っても、すぐに船体へ貼らない場合があります。
その場合は、高温多湿となる船内などに長時間放置しないよう注意しましょう。
保管環境によっては粘着性能が低下する可能性があるため、交付を受けたらできるだけ早く適切な位置に貼り付けるのがおすすめです。
定期検査と中間検査では交付されるシールが異なる
定期検査では船舶検査済票などが交付される
定期検査を受けて合格した場合は、船舶検査済票と次回検査時期指定票が交付されます。
新しい表示が交付された場合は、案内に従って船体へ適切に貼り付けます。
中間検査では次回検査時期指定票が交付される
中間検査では、基本的に新しい船舶検査済票は交付されません。
次回検査時期指定票が交付されるため、表示内容を更新する必要があります。
そのため、「船検を受けるたびに船舶検査済票が新しくなる」と考えるのは正確ではありません。
船検シールが剥がれた場合はどうする?
船舶検査済票は再交付を申請できる
船舶検査済票を紛失したり、汚損して表示内容が確認できなくなったりした場合は、再交付を申請できます。
日本小型船舶検査機構へ所定の申請を行い、新しい船舶検査済票を受け取ります。
再交付された船舶検査済票は、再び船体両側の見やすい位置に貼り付けます。
再交付には手数料がかかる
2026年9月時点では、船舶検査済票の再交付手数料は1通2枚1組につき4,100円です。
ただし、手数料は変更される可能性があります。
実際に再交付を申請する場合は、日本小型船舶検査機構の最新情報を確認しましょう。
次回検査時期指定票も再交付できる
次回検査時期指定票を紛失・汚損した場合も、再交付を受けることができます。
ただし、船舶検査済票の再交付とは提出書類などが異なるため注意が必要です。
次回検査時期指定票のみの再交付を希望する場合は、日本小型船舶検査機構の案内に沿って手続きを行いましょう。
船籍港を変更した場合は表示も確認する
都道府県をまたぐ変更では表示内容が変わる
登録対象船舶では、船舶検査済票と船籍港の都道府県名を組み合わせて船舶番号を表示します。
そのため、船籍港を別の都道府県へ変更した場合は、船体に表示している都道府県名についても変更が必要になります。
中古艇を購入した場合や、引っ越しなどに伴って船籍港を変更した場合は、船舶番号の表示も確認しておきましょう。
船検シールが貼ってあっても船検が有効とは限らない
船体に船舶検査済票が残っているからといって、現在も船検が有効であるとは限りません。
以前の検査時に貼られた船舶検査済票が、そのまま残っている可能性もあります。
現在の検査状況を確認する場合は、次回検査時期指定票だけで判断せず、船舶検査証書や船舶検査手帳も確認することが重要です。
特に中古船を購入するときは、船体にシールがあるかどうかだけでなく、検査関係書類まで確認しましょう。
船検シールを正しく表示して安全に航行しよう
船検シールは、小型船舶が船舶検査を受けたことや、次回の検査時期などを確認するための重要な表示です。
一般に「船検シール」と呼ばれていますが、主に船舶検査済票と次回検査時期指定票があり、それぞれ役割が異なります。
船舶検査済票と次回検査時期指定票は、船体両側の見やすい場所へ適切に貼り付けることが基本です。
また、貼り付け前には船体表面の油脂分などを除去し、貼付後は高圧洗浄機を直接当てないなど、剥がれを防ぐための管理も大切です。
紛失や汚損が発生した場合は、そのままにせず、必要に応じて再交付手続きを行いましょう。
船検シールだけで検査の有効性を判断せず、船舶検査証書や船舶検査手帳も併せて確認しながら、適切に船舶を管理することが重要です。
以上、船検シールの役割や貼り方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










