船検の中間検査とは
船検の「中間検査」とは、定期検査と次の定期検査の間に実施される船舶検査です。
小型船舶が安全に航行できる状態を維持しているかを確認するために行われ、船体や機関、救命設備、消防設備、航海用具などが主な検査対象になります。
一般的なプレジャーボートなどの小型船舶では、定期検査を6年ごとに受け、その中間に中間検査を受けるのが基本です。
そのため、一般的には約3年ごとに「定期検査」または「中間検査」のどちらかを受けることになります。
中間検査と定期検査の違い
定期検査は、船舶検査証書を取得・更新するうえで基準となる総合的な検査です。
一方、中間検査は、定期検査を受けたあとも船舶が安全な状態に維持されているかを確認するために行われます。
中間検査は定期検査と比べて簡略化されている部分がありますが、単に書類や備品の有無だけを確認する検査ではありません。
船体やエンジン、安全設備などに問題があれば、不合格となったり、修理・整備後に再検査が必要になったりすることがあります。
船検の中間検査を受ける時期
一般の小型船舶は約3年ごとに検査を受ける
旅客船以外の一般的な小型船舶では、原則として6年ごとに定期検査を受けます。
その中間に中間検査が設定されるため、検査の流れは基本的に次のようになります。
「定期検査 → 約3年後に中間検査 → 約3年後に定期検査」
つまり、一般的なプレジャーボートやモーターボートでは、おおむね3年ごとに船検を受けると考えると分かりやすいでしょう。
ただし、実際の検査時期は船舶ごとに指定されているため、単純に前回の検査日から3年後と判断するのは避ける必要があります。
中間検査には6か月間の受検期間がある
一般的な小型船舶の中間検査には、原則として6か月間の受検期間があります。
具体的には、基準となる検査時期の前後3か月の範囲で受検できる仕組みです。
この指定期間内に中間検査を受ければ、通常は次回検査の時期が繰り上がることはありません。
一方、指定された期間よりも早い時期に検査を受けた場合は、次回の検査時期が繰り上がることがあります。
「早く受けておけば安心」と考えて必要以上に早く申し込むのではなく、指定された受検期間を確認してから手続きを行うことが大切です。
正確な時期は船舶検査手帳で確認する
中間検査を受ける正確な時期は、「船舶検査手帳」で確認できます。
船舶検査手帳には、次回の検査時期や検査の種類が記載されています。
また、船体には「次回検査時期指定票」が貼付されており、おおよその検査時期を確認できます。
ただし、指定票は年・月を確認するためのものなので、正確な受検可能期間については船舶検査手帳を確認するのが確実です。
中古艇を購入した場合も、船舶検査証書だけでなく船舶検査手帳を確認し、中間検査の時期を過ぎていないか確認しておきましょう。
中間検査では何を確認するのか
中間検査では、船舶が安全に航行できる状態を維持しているかが確認されます。
主な検査対象は、船体、機関、救命設備、消防設備、航海用具、無線設備などです。
ただし、すべての船で同じ項目を検査するわけではありません。
船の大きさ、用途、航行区域、搭載設備などによって検査内容は異なります。
船体の状態
船体については、安全性に問題となる損傷や劣化がないか確認されます。
例えば、船体の亀裂や変形、著しい腐食、損傷、水密性の問題などがないかが重要です。
FRP船の場合でも、船体に大きな亀裂や破損がある場合には、修理が必要になる可能性があります。
普段は水面下にある部分も含め、異常がないか事前に点検しておくとよいでしょう。
エンジンや機関の状態
船外機や船内機、船内外機などの主機関も中間検査の重要な対象です。
エンジンが正常に始動するか、燃料系統や冷却系統、排気系統に問題がないかなどが確認されます。
燃料漏れやオイル漏れ、異音、始動不良などがある場合は、検査前に整備しておく必要があります。
長期間使用していない船の場合は、バッテリーの劣化などによってエンジンが始動しないケースもあるため注意が必要です。
操舵装置
ステアリングや舵などの操舵装置についても、安全に操作できる状態であることが求められます。
ハンドルを操作した際に船外機や舵が正常に動くか、ステアリングケーブルや油圧系統に異常がないかなどを確認しておきましょう。
操舵装置の不具合は航行中の重大事故につながるため、日常点検も重要です。
救命設備も中間検査の重要な確認項目
救命胴衣の数量や状態
ライフジャケットなどの救命設備も中間検査で確認されます。
必要となる救命胴衣の数量は、船舶の定員や設備条件などによって異なります。
単に必要数が船内にあればよいわけではなく、破損や著しい劣化がないことも重要です。
また、救命胴衣には船名、船舶番号または船舶所有者名など、必要な表示が求められます。
検査時には表示不備が指摘されるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
信号紅炎や火せんの有効期限
船舶によっては、小型船舶用信号紅炎や小型船舶用火せんなどの信号設備が必要です。
これらには有効期限が設定されているため、搭載されているだけでは十分ではありません。
特に前回の検査から数年経過している場合、中間検査を受ける時点では有効期限が切れている可能性があります。
検査直前になって慌てないように、あらかじめ期限を確認しておくとよいでしょう。
消防設備の状態も確認される
消火器などを点検しておく
船舶の条件によっては、小型船舶用消火器や自動拡散型消火器などの消防設備が必要になります。
中間検査では、必要な数量がそろっているかだけでなく、正常に使用できる状態かも重要です。
例えば、消火器の容器に著しい腐食がないか、ホースに亀裂がないか、圧力が低下していないかなどを確認します。
また、メーカーが定める耐用年数を超えていないかも確認しておくとよいでしょう。
信号紅炎などとは異なり、消火器については一律の「有効期限」と考えるのではなく、耐用年数や劣化状態を確認するのが適切です。
航海灯や汽笛も事前に確認する
航海灯が正常に点灯するか確認する
航海灯が必要な船舶では、正常に点灯することが求められます。
長期間使用していない船では、電球切れや配線不良、バッテリーの電圧低下などによって航海灯が点灯しないケースがあります。
検査当日に初めて確認するのではなく、事前に実際に点灯させて確認しておきましょう。
汽笛が正常に鳴るか確認する
汽笛についても、必要な船舶では正常に作動することが求められます。
電動式の場合は配線やバッテリーに異常がないか、手動式の場合も問題なく使用できるかを確認しておくと安心です。
その他の航海用具も確認される
船舶の航行区域や設備条件によっては、さまざまな航海用具が必要です。
例えば、アンカー、係船ロープ、黒色球形形象物、レーダー反射器、コンパス、海図、双眼鏡などが該当する場合があります。
必要な法定備品は船によって異なるため、「他の船に積まれていたから自分の船にも必要」とは限りません。
自分の船に必要な設備については、船舶検査手帳やJCIの法定備品に関する案内を確認しましょう。
中間検査では海上試運転が行われることもある
中間検査では、船体や機関、設備などの状態確認に加えて、原則として適当な方法による海上試運転が行われる場合があります。
実際に航行させることで、エンジンや操舵装置などが正常に作動するかを確認するためです。
ただし、船舶の現在の状態が良好であり、検査上差し支えないと判断される場合には、海上試運転の一部または全部が省略されることがあります。
そのため、「中間検査では必ず海上試運転を行う」「中間検査では海上試運転をしない」と一律に考えないほうがよいでしょう。
旅客船では中間検査の周期が異なる
中間検査の時期は、すべての小型船舶で同じではありません。
一般的なプレジャーボートなどの旅客船以外の小型船舶では、6年ごとの定期検査と、その中間の中間検査が基本です。
一方、旅客船では検査周期が異なります。
総トン数5トン未満の旅客船
旅客定員13名以上で総トン数5トン未満の旅客船では、原則として5年ごとに定期検査が行われ、その中間の時期に中間検査を受けます。
総トン数5トン以上の旅客船
総トン数5トン以上の旅客船では、定期検査は原則5年ごとですが、その間に1年ごとの中間検査が行われます。
そのため、「船検は3年ごと」と一律に考えるのではなく、船舶の用途や区分を確認することが重要です。
船舶検査証書の有効期限が残っていても中間検査は必要
中間検査で特に注意したいのが、船舶検査証書の有効期限との関係です。
一般的な小型船舶では、船舶検査証書の有効期間は6年間です。
そのため、中間検査を受ける時点では、船舶検査証書の有効期限が数年間残っているケースがあります。
しかし、船舶検査証書の有効期限が残っているからといって、中間検査を受けなくても航行できるわけではありません。
中間検査の指定時期が到来した場合は、船舶検査証書の有効期限内であっても中間検査を受ける必要があります。
中間検査の期限を過ぎた場合は航行できない
中間検査の受検期間を過ぎても検査を受けていない場合、その船舶は「検査切れ」の状態になります。
この場合、中間検査に合格するまでは原則として航行できません。
「船舶検査証書にまだ有効期限が残っているから大丈夫」と判断するのは危険です。
しばらく使用していなかった船を再び使用するときや、中古艇を購入するときには、必ず中間検査の時期も確認しておきましょう。
中間検査を受ける前に確認しておきたいポイント
中間検査をスムーズに進めるためには、検査当日までに船体や設備を点検しておくことが重要です。
特に、次のようなポイントを確認しておくとよいでしょう。
船舶検査手帳を確認する
まず、船舶検査手帳を確認し、中間検査の正確な受検期間を把握します。
検査期間を勘違いしていると、検査切れになったり、必要以上に早く受検して次回検査時期が繰り上がったりする可能性があります。
救命設備を確認する
救命胴衣などが必要数そろっているか、破損や著しい劣化がないかを確認します。
船名、船舶番号または所有者名などの必要な表示についてもチェックしておきましょう。
信号類の期限を確認する
信号紅炎や火せんを搭載している場合は、有効期限を確認します。
期限が切れている場合は、検査前に適切なものへ交換しておく必要があります。
消防設備を確認する
消火器などについて、必要数量、容器やホースの状態、圧力、メーカーが定める耐用年数などを確認します。
エンジンを実際に始動する
エンジンについては、実際に始動させて異常がないか確認しておきましょう。
始動不良、異音、燃料漏れ、オイル漏れなどがある場合は、事前に整備することが重要です。
航海灯や汽笛を作動させる
航海灯や汽笛についても、実際にスイッチを入れて正常に作動するか確認します。
目視だけでは不具合に気付けないこともあるため、必ず作動確認を行うのがおすすめです。
船検の中間検査は約3年ごとが基本だが正確な時期を確認することが重要
船検の中間検査は、定期検査と次の定期検査の間に、船舶が安全な状態を維持しているかを確認するために行われます。
一般的な旅客船以外の小型船舶では、定期検査が6年ごとに行われ、その中間となる約3年後に中間検査を受けるのが基本です。
ただし、中間検査には6か月間の指定受検期間があるため、「前回の検査からちょうど3年後」と考えるのではなく、船舶検査手帳で正確な時期を確認することが大切です。
また、中間検査では、船体やエンジンだけでなく、救命胴衣、信号紅炎、消火器、航海灯、汽笛などの安全設備も確認されます。
船舶検査証書の有効期限が残っていても、中間検査の時期を過ぎれば検査切れとなり、合格するまで原則として航行できません。
検査期限が近づいたら、船舶検査手帳で受検時期を確認し、法定備品や船体、機関などを早めに点検しておくと、中間検査をスムーズに受けやすくなります。
以上、船検の中間検査の内容や時期についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










