ボートダビット(Boat Davit)は、船舶において小型ボート(補助艇や救命艇)を吊り上げたり降ろしたりするためのクレーン状の装置です。
特に大型船やプレジャーボートで使用され、小型ボートの安全な運搬や展開を容易にします。
目次
ボートダビットの主な役割
- 小型ボートの吊り上げと降下
- 補助艇や救命艇を船のデッキや側面から水面に下ろす、または水面から引き上げる際に使用します。
- 海上で緊急時に迅速かつ安全に小型ボートを展開できます。
- 小型ボートの収納
- 船上に小型ボートを固定して安全に保管します。
- 船が移動中でも小型ボートを安全に維持できるよう設計されています。
- 省スペース化
- 小型ボートをデッキに置くスペースを節約し、効率的に収納できるため、大型船でのスペース管理にも役立ちます。
ボートダビットの種類
ボートダビットにはいくつかの種類があり、船の種類や用途によって選ばれます。
スイング式ダビット(Swing Davit)
- 腕のような形状で、ボートを横方向に動かして吊り上げたり降ろしたりします。
- 比較的小型のボートや補助艇に適しています。
重力式ダビット(Gravity Davit)
- 重力を利用して救命艇を水面に下ろすシステムです。
- 主に大型船の救命艇用に設置され、安全性が高いのが特徴です。
油圧式ダビット(Hydraulic Davit)
- 油圧システムを使用して操作します。
- 重量のある小型ボートや頻繁に使用する補助艇に適しており、操作がスムーズです。
手動式ダビット(Manual Davit)
- 手動のウィンチを使用してボートを上げ下げします。
- 小型で簡易的なシステムが多く、小型船に適しています。
電動式ダビット(Electric Davit)
- 電動モーターで操作するタイプです。
- 労力を軽減でき、利便性が高いですが、電源供給が必要です。
ボートダビットの構造と仕組み
- アーム(Davit Arm)
- ボートを吊り上げる際に使用される主要な部分で、スイング式や固定式などがあります。
- ウィンチ(Winch)
- ボートを上下させるための装置で、手動または電動で操作します。
- ワイヤーまたはロープ
- 吊り下げるための素材。通常は高強度のワイヤーロープが使用されます。
- ベース(Base)
- 船のデッキや側面に固定される部分で、ダビット全体を支えます。
- 固定フック
- ボートの固定や吊り上げのために使用します。
ボートダビットの利点
- 迅速な操作: 緊急時や救命活動で迅速に補助艇を展開可能。
- 省力化: 油圧式や電動式は操作が簡単で、大きな労力を必要としません。
- 安全性向上: ボートを安全に運搬し、海面に下ろす際のリスクを軽減。
- スペース効率: ボートを吊り上げて固定することで、デッキのスペースを有効活用。
注意点
- 定期的なメンテナンス
- ワイヤーやウィンチ、アーム部分の摩耗や劣化を点検し、適切に整備する必要があります。
- 重量制限
- ダビットには吊り上げられるボートの重量制限があるため、使用前に確認が必要です。
- 適切な設置
- ダビットは船の構造に合わせて正確に設置される必要があり、専門的な技術が求められます。
費用と設置に関する概要
- 価格帯: 数十万円から数百万円程度(種類や性能による)。
- 設置費用: 専門業者による設置が必要で、追加の工事費用が発生することがあります。
- 購入場所: 海事用品専門店やオンラインショップで購入可能。
ボートダビットは、補助艇や救命艇の取り扱いを大幅に効率化し、安全性を高める重要な装置です。
プレジャーボートやヨットを運用する際に非常に便利であり、特に大型船においては欠かせない装備といえます。
以上、ボートダビットについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。