「“走錨”ってなんて読むの?」「走錨って危険なことなの?」
ニュースや海のトラブル記事などで「走錨」という言葉を見かけて、読み方や意味が気になる方も多いでしょう。
走錨(そうびょう)とは、船の錨(いかり)が海底で効かず、船が流されてしまう現象のことを指します。
正しい読み方は「そうびょう」です。
この記事では、
- 「走錨」の正しい読み方と意味
- 走錨が起こる原因
- 防ぐための具体的な対策
をわかりやすく解説します。
「走錨」の読み方は「そうびょう」
まず結論から言うと、「走錨」はそうびょうと読みます。
意味
錨(いかり)を下ろして停泊している船が、風・波・潮流によって錨ごと流されてしまう現象を指します。
漢字のとおり、
- 「走」=走る(動く)
- 「錨」=船を固定するためのいかり
という意味から、「錨が走る(効かずに動く)」=走錨という表現になっています。
「走錨」の意味と起こる仕組み
走錨とは、船が錨を下ろして停泊しているにもかかわらず、錨が海底で固定されずに船が少しずつ流される状態のことです。
走錨が起こるメカニズム
- 錨を海底に下ろす(投錨)
- 錨の爪(フルーク)が海底に食い込み、船を固定
- 強い風や潮流で船が引っ張られる
- 錨が海底から外れ、滑って動く(走錨)
見た目ではわかりにくく、気づいたときには船が想定外の位置に流されていることもあります。
走錨が起こる主な原因
走錨の原因は「環境」「錨の扱い方」「海底の状態」の3つに分けられます。
| 原因カテゴリ | 具体的な内容 |
|---|---|
| 環境要因 | 強風・高波・潮流などの自然条件 |
| 人為的要因 | 錨の重さ不足/鎖の長さが足りない/投錨角度のミス |
| 海底要因 | 岩盤・サンゴなど、錨が食い込みにくい地質 |
特に、鎖の長さ(スコープ)が不足していると、錨が立ち上がって海底から浮きやすくなり、走錨が発生しやすくなります。
一般的には、水深の5〜7倍の長さの鎖を出すのが安全です。
走錨の危険性と実際のトラブル事例
走錨は軽く見られがちですが、船舶事故や座礁につながる重大なトラブルです。
走錨が引き起こすリスク
- 船が他船や岸壁に衝突する
- 錨鎖が絡まり、エンジンや舵が損傷する
- 海底ケーブルや構造物を破損する
実際の事例(報道より)
たとえば、台風通過時に港内で停泊していた貨物船が走錨し、隣接船や防波堤に衝突する事故が毎年発生しています。
特に強風時や係留不足の状態では、数分で数百メートル流されることもあります。
走錨を防ぐための対策
走錨を防ぐには、正しい投錨操作と事前準備が不可欠です。
十分な長さの鎖を出す
鎖が短いと角度が立って錨が効かないため、水深の5〜7倍を目安に鎖を出しましょう。
錨を下ろす場所を選ぶ
砂地や泥地など、錨の爪が食い込みやすい場所を選ぶ。
岩場やサンゴ地帯は避けるのが基本です。
天候・潮流を常に確認する
特に台風接近時や潮の変わり目は走錨のリスクが高まるため、安全な港や湾内に避難する判断が重要です。
GPSアンカーアラームを活用
現代の船では、GPSで船の位置を常時監視するシステムがあり、走錨時にアラームで知らせてくれます。
「走錨」と「投錨・起錨」との違い
| 用語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 投錨 | とうびょう | 錨を下ろして停泊すること |
| 起錨 | きびょう | 錨を引き上げて出航すること |
| 走錨 | そうびょう | 錨が効かず船が流されること |
似た表現でも意味がまったく異なるため、特に航海や報道文で混同しないよう注意が必要です。
まとめ:「走錨」の読み方は“そうびょう”|意味を知れば防げる
「走錨(そうびょう)」とは、錨が効かずに船が流される現象です。
- 錨が海底に食い込まないときに発生
- 強風や潮流、鎖の不足が主な原因
- 対策は「長い鎖」「正しい角度」「GPS監視」が基本
つまり、走錨は“錨の効きが悪い状態”を意味し、その理解が船の安全を守る第一歩です。
以上、走錨の読み方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









