漁船漁業(ぎょせんぎょぎょう)とは、漁船を使用して行う漁業の総称です。
漁船漁業は、海洋や内水面(水域)において魚介類やその他の水産資源を捕獲・採取するための重要な手段です。
この漁業形態は、日本をはじめ世界中で広く行われており、水産資源の供給において重要な役割を果たしています。
目次
漁船漁業の特徴
- 漁船の種類:
漁船漁業に用いられる漁船は、規模や目的に応じて多様な種類があります。小型の漁船から大型のトロール船や遠洋漁船まで、さまざまなタイプが存在します。これらの漁船は、特定の漁法に適した装備や技術を持ち、それに応じた魚種を対象としています。 - 漁法:
漁船漁業では、さまざまな漁法が用いられます。代表的なものには以下があります:
- トロール漁業:網を海中で引きながら魚を捕獲する方法。主に底魚や中層魚が対象。
- 延縄(はえなわ)漁業:長いロープにたくさんの針をつけて、広範囲にわたって魚を捕る方法。マグロやカジキなどの大型魚が対象。
- 流し網漁業:海流に乗せて網を流し、魚を捕らえる方法。多くの場合、イワシやサバなどの小型魚が対象。
- 引き網漁業:船が網を引きながら魚を捕る方法。エビやカニなどの甲殻類にも使われる。
- 漁場:
漁船漁業は、沿岸漁業、沖合漁業、遠洋漁業など、漁場の位置に応じて分類されます。沿岸漁業は、陸地から比較的近い水域で行われ、沖合漁業はさらに沖合の水域、遠洋漁業は遠く離れた国際水域や他国の経済水域(EEZ)内で行われます。 - 漁船の運用:
漁船は、通常複数の漁師で運営され、彼らは船上で長期間生活しながら漁を行います。特に遠洋漁業では、数週間から数カ月に及ぶ航海が一般的です。漁獲物は船上で加工されたり、冷凍保存されたりして帰港まで保存されます。 - 環境への影響:
漁船漁業は、水産資源の枯渇や生態系への影響という課題も抱えています。過剰漁獲や非選択的漁法により、ターゲット外の生物が捕獲される「混獲」や、海底の破壊が問題視されています。これに対し、持続可能な漁業を目指して、漁獲量の制限や漁具の改良が進められています。
日本における漁船漁業
日本は四方を海に囲まれた島国であり、古くから漁業が盛んです。
漁船漁業は、日本の水産業の中心であり、国内の魚介類の供給だけでなく、輸出産業としても重要な役割を担っています。
特にマグロやサバ、サンマなど、日本の食文化に深く根ざした魚種の漁獲が盛んです。
また、日本では漁船漁業に関する法律や規制が整備されており、漁業権や漁獲量の管理が行われています。
漁業協同組合(漁協)が地域ごとに存在し、漁業者の権利保護や資源管理に努めています。
まとめ
漁船漁業は、漁船を使って行う漁業活動であり、世界中で広く行われている重要な産業です。
さまざまな漁法や漁船の種類があり、漁場や漁獲物に応じて異なる方法が採用されます。
持続可能な漁業を実現するために、環境への配慮や資源管理がますます重要視されています。
以上、漁船漁業とはについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。