ジェットスキー(パーソナルウォータークラフト/PWC)を安全に、そして長く楽しむためには、ガソリンに関する正確な知識が欠かせません。
燃料の種類を間違えたり、誤った給油方法を取ったりすると、エンジン性能の低下だけでなく、深刻な故障や法令違反につながる可能性もあります。
ここでは、ジェットスキーに使用するガソリンについて、メーカーの公式見解・日本の給油環境・消防法上のルールを踏まえ、初心者にも分かりやすく整理して解説します。
ジェットスキーに使用するガソリンの基本
ジェットスキーに使用する燃料は、自動車用の無鉛ガソリンです。
特別な船舶専用燃料を用意する必要はありません。
使用するガソリンは、次のいずれかになります。
- レギュラーガソリン
- ハイオクガソリン
どちらを使うかは、必ずメーカーが指定する燃料種別に従う必要があります。
レギュラーとハイオクの違いと正しい選び方
レギュラーガソリン指定のモデル
- 自然吸気エンジンを搭載したモデル
- 出力が比較的抑えられたレジャー向けモデル
これらの機種では、レギュラーガソリンの使用が前提となっています。
ハイオクを入れても燃費や出力が大きく向上するわけではなく、コスト面のメリットもありません。
ハイオクガソリン指定のモデル
- 高出力エンジン搭載モデル
- スーパーチャージャーなど過給機付きモデル
これらの機種では、ハイオクガソリンの使用が必須です。
指定より低オクタンの燃料を使用すると、ノッキング制御が追いつかず、性能低下・エンジンへの負荷増大・最悪の場合は損傷につながる恐れがあります。
※日本では「レギュラー」「ハイオク」という区分で販売されていますが、メーカーが取扱説明書で数値(オクタン価)を指定している場合は、表記方式(日本はRON基準)を確認したうえで該当する燃料を選ぶことが重要です。
給油方法と注意点
給油場所について
ジェットスキーへの給油は、主に以下の方法で行われます。
- ガソリンスタンドで携行缶に給油
- マリーナや港湾施設の給油設備を利用
多くの場合、携行缶を使って陸上で給油するケースが一般的です。
携行缶を使用する際の重要なルール
ガソリンの運搬・給油には、消防法に基づく厳格なルールがあります。
使用できる携行缶
- ガソリン専用の金属製携行缶
- 消防法令適合品(試験確認済表示があるもの)
灯油用のポリタンクや、用途不明の容器は使用できません。
これらは法令違反となるだけでなく、事故の原因にもなります。
ガソリンスタンドでの給油注意点
- セルフ式スタンドでは、利用者が自分で携行缶に給油することは原則不可
- 多くのスタンドでは、スタッフによる給油対応が必要
- 本人確認や用途確認を求められる場合がある
スタンドや自治体ごとに運用が異なるため、事前確認をしておくと安心です。
燃料タンク容量と燃料消費の考え方
燃料タンク容量の目安
- 小型モデル:30〜40リットル前後
- 大型・高出力モデル:60〜70リットル前後
燃費についての注意点
ジェットスキーの燃料消費は、以下の要因で大きく変化します。
- エンジン排気量・過給の有無
- 走行回転数
- 乗員数
- 波や水面状況
特に高回転域や全開走行を多用すると、燃料消費は急激に増加します。
自動車のように一定の「○km/L」と断定できるものではなく、走り方次第で消費量が大きく変わる乗り物である点を理解しておくことが重要です。
2ストロークと4ストロークでの燃料の違い
2ストロークエンジン(主に旧型・中古艇)
- ガソリンにエンジンオイルを混合して使用
- 指定された混合比を厳守する必要あり
- 混合ミスは焼き付きなどの重大トラブルにつながる
4ストロークエンジン(現在の主流)
- ガソリンは単体で使用
- エンジンオイルは別管理
- 燃費・耐久性・環境性能に優れる
現在販売されている新艇の多くは4ストロークですが、中古市場では2ストローク艇も流通しているため、購入時は仕様確認が必須です。
長期保管時のガソリン管理
ガソリンは時間の経過とともに劣化し、以下のトラブルを引き起こすことがあります。
- エンジン始動不良
- インジェクターや燃料系の詰まり
- 燃料ポンプの不具合
保管時の基本対策
- 短期間保管:
燃料を満タンに近い状態にし、空気層を減らす - 長期保管(オフシーズン):
燃料安定剤(スタビライザー)を使用
メーカー推奨の保管手順を優先する
※保管期間や燃料の種類によって最適な方法は異なるため、必ず取扱説明書の指示を確認してください。
ガソリン代の目安と維持費感覚
ジェットスキーは、マリンスポーツの中でも燃料消費が多い部類に入ります。
- 大型モデルでは、1日でタンク1回分以上を消費することも珍しくありません
- 高出力モデル+ハイオク指定の場合、燃料代は特に高くなります
事前に燃料コストを把握しておくことで、予算管理や給油計画が立てやすくなります。
まとめ
ジェットスキーのガソリンに関して押さえておくべきポイントは次の通りです。
- 使用するのは自動車用の無鉛ガソリン
- 燃料の種類は必ずメーカー指定を守る
- 高出力モデルではハイオク指定が多い
- 携行缶は消防法令適合の金属製のみ使用
- 燃料消費は走り方によって大きく変わる
- 長期保管時は燃料劣化対策が必須
ガソリンの扱いを正しく理解することは、安全性・性能維持・エンジン寿命のすべてに直結します。
これからジェットスキーを始める方も、すでに所有している方も、ぜひ燃料管理を見直す際の参考にしてください。
以上、ジェットスキーのガソリンについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。














