タグボート(曳船/タグ)の仕事が「きつい」と言われる理由について詳しく解説します。
タグボートは主に大型船舶の着岸・離岸を補助する小型ながら非常にパワフルな船で、その運航に携わる人々の仕事は特殊で責任も重く、さまざまな点で厳しさが伴います。
タグボートの仕事とは
タグボートは港湾内で以下のような作業を行います。
- 大型船舶の誘導・接岸/離岸補助
- 座礁・漂流した船舶の救助
- ブイの設置・回収
- 工事用台船や海上クレーンの曳航
- 緊急時の消防支援(放水能力あり)
これらを行うタグボート乗組員(通常は船長・機関士・甲板員など)は、港の安全と物流を支える非常に重要な役割を担っています。
「きつい」と言われる主な理由
不規則で長時間の勤務体制
タグボートの運航は船の入出港に合わせて行われるため、24時間体制です。
以下のような勤務が一般的です。
- 昼夜問わずの待機(交代制)
- 突発的な依頼による出動
- 週末・祝日も勤務がある
- 天候に関わらず出港がある
結果として、体内リズムが乱れやすく、慢性的な疲労がたまりやすいと言われます。
肉体労働が多い
特に甲板員の仕事は体力勝負です。
- ロープワーク(係船索の取り扱い)
- 着岸時の迅速な対応
- 港での荷役補助(場合による)
寒冷地や猛暑の中での作業もあるため、過酷な環境下での労働になることが多いです。
高い危険性
タグボートの作業は一歩間違えば命に関わる危険性もあるため、常に高い集中力が求められます。
- 巨大な船体に接近するため接触事故のリスクあり
- 曳航中にロープが切れると、跳ね返りで大けがの恐れあり
- 海象の急変による転覆や転落のリスク
事故を防ぐための熟練した技術と経験が必要です。
高い技術と責任感が必要
タグボートは小型ながらエンジン出力が非常に高く、操船技術も独特です。
船長には以下のようなプレッシャーがあります。
- 他船や港湾施設を傷つけないよう慎重な操船
- 他のタグボートとの連携
- 外国籍の大型船との英語でのコミュニケーション
- 天候や潮流の読み
ミスが重大事故につながるため、常に神経を張り詰めて作業を行う必要があります。
メリットややりがいもある
「きつい仕事」とはいえ、以下のような魅力もあるのがタグボートの仕事です。
- 公共性が高く、港湾インフラを支える誇り
- 高い技術職であり、熟練度に応じた評価が得られる
- 一部企業では給与水準が比較的高め(船長や機関士など)
- 非日常的な職場環境や達成感
港で船の入出港がスムーズに行われている裏には、タグボート乗組員の献身があることを実感できます。
向いている人の特徴
タグボートの仕事に向いているのは、以下のような人です。
- 体力に自信がある
- 不規則勤務に対応できる生活スタイル
- チームワークを大切にできる
- 海が好きで、船に関心がある
- 精神的にタフで緊張感に耐えられる
まとめ
タグボートの仕事は確かに「きつい」と言われる要素が多いです。
特に不規則な勤務、危険な現場、高い集中力と責任感が求められるため、一般的な陸上職とはまったく異なる生活になります。
しかしその分、「誰でもできる仕事ではない」というプロフェッショナリズムと、港の安全を担う誇りがあります。
待遇面や仕事のやりがい、そして職人技とも言える操船技術を身につけられる点を魅力と感じる人にとっては、非常に価値ある職業とも言えるでしょう。
以上、タグボートの仕事はきついのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。