タグボートの仕事について

タグボート,イメージ

タグボート(英語:tugboat)は、港や狭い水路で大型船舶を安全に誘導・曳航(えいこう)するための特殊な小型船です。

そのため、タグボートの仕事は海上の物流や港湾運営において非常に重要な役割を担っています。

以下では、タグボートの仕事について、役割・仕事内容・種類・働く人々・必要な資格・勤務スタイルなど、総合的に詳しく解説します。

目次

タグボートの主な役割

大型船の接岸・離岸のサポート

大型貨物船やタンカー、クルーズ船などは、自力で岸壁に正確に接岸するのが難しいため、タグボートが押したり、引いたりして船を動かします

  • 船首や船尾を横から押して船の角度を調整
  • 狭い港内での転回をサポート
  • 離岸時には逆に引いて安全に港を離れさせる

曳航(えいこう)

  • 故障した船や自力航行できない構造物(バージ船、ドック、構造物など)を引いて運ぶ。
  • 沿岸だけでなく、外洋曳航といって長距離を引く作業もある。

緊急対応

  • 座礁やエンジン故障などのトラブル時に出動して救援
  • 海上火災の際の消火活動(放水装置付きタグボートが使用される)

タグボートの種類

種類特徴・用途
港内タグ(Harbor Tug)港湾内での接岸・離岸作業に特化。機動性が高く、小回りが利く。
沿岸・外洋タグ(Ocean Tug)長距離の曳航作業に使われる。強力なエンジンを持ち、航行能力が高い。
消火タグ火災時に放水できる装置を備えたタグボート。

タグボートの仕事に従事する人々

タグボートは通常2〜6人程度の小規模な乗組員で運用されます。

代表的な役職は以下の通りです。

職種仕事内容
船長(キャプテン)操船の指揮を取り、連絡を取りながら誘導を行う責任者。
機関長(チーフエンジニア)エンジンや機械系統の点検・運転を担当。
船員(甲板員)ロープ操作、接岸作業、曳航用ワイヤーの取り扱いなど。

タグボートの勤務スタイルと労働環境

  • 勤務時間は不規則。船の入出港スケジュールに合わせて呼び出しがある。
  • 24時間体制で交代勤務が一般的。
  • 「待機時間」が多いこともあり、港内で控室に待機するスタイルも。
  • 海上という特殊な環境下で、体力・判断力・連携力が求められる。

必要な資格とキャリアパス

タグボートで働くには、一定の海技免状(国家資格)が必要です。

役職必要な資格
船長一級または三級海技士(航海)
機関長一級または三級海技士(機関)
船員小型船舶操縦士、海上特殊無線技士など(補助的)

また、実務経験が重視される業界であり、最初は見習いからスタートして、徐々に資格取得・昇進していくパターンが多いです。

タグボートのやりがい・魅力

  • 大きな船を自分の判断で誘導する責任感と達成感
  • 機動性と技術が問われる、操船技術者としての高い誇り
  • チームでの連携プレーが多く、少人数での一体感がある
  • 港というインフラの最前線で働く実感

タグボート業界の現状と将来性

  • 日本では高齢化と人手不足が進んでおり、若手の船員を育てる動きがある。
  • 一方で、タグボートは港湾運営に欠かせない存在のため、安定性の高い職種でもある。
  • 最新のタグボートにはZドライブ(全方位推進)やリモート操船システムも導入され始めており、技術革新が進んでいる。

まとめ

タグボートの仕事は一見地味に見えるかもしれませんが、実際には港湾物流の要として高い技術とチームワーク、迅速な判断力が求められるプロフェッショナルな職業です。

大型船の安全な出入りを支える、まさに“縁の下の力持ち”。

港町や造船所、海事系の職業に関心がある人にとっては、非常に魅力的で意義深い仕事と言えるでしょう。

以上、タグボートの仕事についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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