「船のマスト(mast)」とは、船体の上に垂直に立てられた柱状の構造物を指します。
これは、帆船時代から使われている用語ですが、現代の船にもさまざまな目的で設置されています。
以下で、伝統的な帆船におけるマストと、現代船のマストについて詳しく解説します。
目次
帆船における「マスト」とは?
基本的な定義
マストとは、帆(セイル)を支えるために船体中央に立てられた長い柱です。
風の力を受けて船を進める帆を張るために欠かせない構造物でした。
主な種類(帆船の場合)
帆船には複数のマストが立てられており、それぞれに名称があります。
マストの名前 | 説明 |
---|---|
フォアマスト(Foremast) | 船の前方(バウ寄り)に立つマスト |
メインマスト(Mainmast) | 中央にある最も大きく高いマスト |
ミズンマスト(Mizzenmast) | 船の後方(スターン寄り)に立つマスト |
補足用語
- ヤード(Yard):マストから横方向に突き出して帆を吊るす棒
- ステイ(Stay)/シュラウド(Shroud):マストを支えるワイヤーやロープ
- クロスツリー(Crosstree):高所で横に張られる足場、見張り台(クロウズネスト)もここにあることが多い
現代船における「マスト」とは
現代の商船や軍艦では帆は使われませんが、マストという構造は今でも存在します。
現代のマストの用途
- レーダーやアンテナの設置(通信、航行補助)
- 航海灯の取り付け(夜間や悪天候での視認性確保)
- 国旗や船旗の掲揚
- 見張り台や作業足場の設置
現代船での設置場所
基本的には、船橋(ブリッジ)の上部や上構(上部構造物)の最上部に設けられます。
位置としては中央または後方に立っていることが多いですが、船のタイプによって多少異なります。
船の構造上での「マストの場所」
船のマストは上甲板(メインデッキ)から垂直に立ち上がっている構造物です。
帆船では「竜骨(キール)」と呼ばれる船の背骨のような部分に根元が固定されていましたが、現代では甲板に直接取り付けるケースがほとんどです。
余談:航空用語との違い
ちなみに、「マスト(mast)」という単語は航空業界でも使われることがありますが、意味は全く異なります。
船舶では縦に立つ構造物、航空では特定のセンサーや計測機器の台座を指すこともあります。
まとめ
観点 | 内容 |
---|---|
定義 | 船体上部に垂直に立てられた構造物 |
目的 | 帆船では帆を支える/現代船ではアンテナ・灯火・旗の掲揚など |
位置 | 船体中央・前方・後方など、用途に応じて配置 |
形状 | 長い柱状、鉄・アルミ・複合素材製が多い |
以上、船のマストはどこを指すのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。