船上での携帯電話の電波状況は、陸地からの距離や周囲の環境、使用しているキャリアの対応範囲、使用端末の性能などに大きく左右されます。
以下に、詳しく解説します。
目次
船上での携帯電波の基本
沿岸部(陸から5〜10km以内)
この範囲内であれば、通常の携帯電波(4Gや5G)が届くことが多いです。
特に以下の条件では電波が比較的安定します。
- 陸に面した開けた海域
- 電波塔の近く
- 電波を遮る高い構造物や島がない場合
ただし、船の構造(鉄製の壁など)によっては電波が遮られることもあり、屋外デッキではつながるが、船内ではつながらないというケースもあります。
沖合・外洋(陸から10km以上離れる)
この範囲になると、携帯キャリアの通常の基地局の電波はほぼ届きません。
以下のような状況になります。
距離(目安) | 携帯電波の状況 |
---|---|
〜10km | 弱いがつながることも |
10〜20km | つながらないことが多い |
20km〜 | 基本的に圏外 |
船上で通信を確保する3つの方法
衛星通信(インマルサット、イリジウムなど)
外洋航行の船舶(大型フェリー、漁船、商船など)は、衛星通信装置を搭載している場合が多く、これを使えば世界中どこでもインターネットや通話が可能です。
- 利点:海のどこでも通信可能
- 欠点:高額(従量課金・数万円以上かかることも)
船舶Wi-Fi(フェリーやクルーズ)
一部のフェリーやクルーズ船では、船内Wi-Fiサービスが提供されており、これも多くは衛星回線を使っています。
- 有料サービスが多く、速度は遅め(動画視聴は難しいことも)
- SNSやメール、LINE程度なら使用可能な場合が多い
陸地近くでの接続タイミングを利用
航行中、陸に近づいたタイミングを見計らって通信を行う方法です。
- GPSで位置を把握し、地図上で基地局に近いタイミングを予測
- 高性能なスマホやモバイルルーターを使うことで微弱な電波でも接続可能になることも
よくある質問とその答え
Q. 船上で「圏外」になってもGPSは使えますか?
→ はい、使えます。 GPSは衛星通信を使用しているため、携帯電波の有無に関係なく位置情報は取得可能です(Googleマップの地図読み込みにはネット接続が必要ですが、事前ダウンロードすれば対応可能)。
Q. 海外の海域でも日本の携帯キャリアは使えますか?
→ 基本的には使えませんが、国際ローミングを利用して現地の通信会社の電波を借りる形で使えることもあります。ただし、海上では電波が不安定なので、やはり衛星通信が基本になります。
まとめ
シチュエーション | 携帯電波状況 | 対策 |
---|---|---|
陸の近く(〜10km) | つながる可能性あり | 高性能アンテナ、デッキに出る |
沖合・外洋(10km〜) | 基本圏外 | 衛星通信 or 船内Wi-Fi |
長距離クルーズ・商業航行 | 通常圏外 | 衛星通信、Wi-Fi事前確認 |
以上、船では携帯の電波はどうなるのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。