ジェットスキーのエンジンの仕組みについて

ジェットスキー(パーソナルウォータークラフト/PWC)は、一般的な船外機ボートのように外部プロペラで推進するのではなく、ウォータージェット推進を採用しています。

エンジンでポンプを回し、水を加速して噴射し、その反力で前進します。

目次

基本構造と動力の流れ

構成は大きく以下の通りです。

  1. ガソリンエンジン
  2. ドライブシャフト
  3. ジェットポンプ(インペラ+ステータ)
  4. ステアリングノズル

動力の流れ

  • エンジンのクランクシャフトが回転
  • ドライブシャフトを介して船尾のインペラを回転
  • 船底から吸い込んだ水を加速
  • ノズルから後方へ噴射
  • 噴流の反作用で前進

この推進原理はニュートンの作用反作用の法則に基づいています。

ジェットポンプ内部の仕組み

ジェットポンプは以下の要素で構成されます。

インペラ

スクリュー形状の回転体。水にエネルギーを与え、流速と圧力を高めます。

ステータ

回転流を整流し、エネルギー損失を抑えます。

ノズル

噴射方向を左右に変えることで操舵を行います。

※「水を圧縮する」という表現は便宜的なもので、実際には水の圧力と流速を高めるという意味が正確です。

エンジンの種類

現在のPWCはほとんどが4ストローク水冷ガソリンエンジンです。

4ストロークの工程

  1. 吸気
  2. 圧縮
  3. 燃焼
  4. 排気

このサイクルを高回転で繰り返します。

回転数について

PWCエンジンは高回転型が多く、最大回転数は機種によって異なります

モデルによっては7,000〜8,000rpm台に達するものもありますが、これは一律ではありません。

重要なのは、

ジェット推進はインペラ回転数が推力に影響しやすい
という点です。

ただし、回転数だけでなく、その回転を維持するためのトルクも同様に重要です。

冷却方式

PWCは水冷式です。

方式は主に2種類あります。

オープンループ(直吸水式)

走行中に取り込んだ水で直接エンジンを冷却します。

  • 構造が比較的シンプル
  • 海水使用では塩害対策が重要

クローズドループ(熱交換器方式)

エンジン内部は不凍液が循環し、海水は熱交換器のみを通ります。

  • 腐食対策に有利
  • 構造はやや複雑

どちらを採用しているかはメーカー・モデルによって異なります。

前進・後進の仕組み

一般的な自動車のような多段変速機は持たないモデルが多いです。

前進・後進は以下の仕組みで実現します。

  • ノズル前方にある「リバースゲート(バケット)」を可動
  • 噴流の向きを偏向
  • 噴射方向を前方へ反転させることで後進

つまり、ギアで逆転させているわけではありません。

スーパーチャージャー搭載モデル

一部の高性能モデルではスーパーチャージャー(機械式過給機)が搭載されています。

仕組み

  • エンジン回転でコンプレッサーを駆動
  • 吸入空気を加圧
  • 燃焼効率向上
  • 出力増加

高出力モデルでは300馬力級以上の仕様も存在しますが、出力は世代や仕様で異なります。

2ストロークと4ストロークの違い(歴史的背景)

かつては2ストロークエンジンも多く採用されていました。

項目2スト4スト
構造シンプル複雑
重量軽量やや重い
燃費劣る傾向良好
排出ガス多い傾向クリーン

環境規制の影響などから、現在は4ストロークが主流です。

メンテナンス上の注意

海水で使用した場合、塩分による腐食リスクがあります。

多くのメーカーは真水での洗浄(フラッシング)を推奨していますが、具体的な方法や頻度は各モデルの取扱説明書に従う必要があります。

まとめ

  • PWCはウォータージェット推進
  • エンジンでインペラを回し、水を加速噴射して前進
  • 高回転型エンジンが多いが、回転数は機種差あり
  • 冷却方式はオープン/クローズドの2系統
  • 後進はリバースゲートで水流を反転
  • 一部モデルはスーパーチャージャー搭載

以上、ジェットスキーのエンジンの仕組みについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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