「船のへり」という言葉は、日常会話や文学的表現などでしばしば使われますが、船舶に関する正確な専門用語としては少し曖昧な部分もあります。
ここでは、「船のへり」がどの部分を指しているのかを、以下のように丁寧に掘り下げて説明します。
目次
「へり」とは何か?
日本語における「へり(縁)」は、物の端や境界部分、つまり「内と外を分ける接点や外周部」を表す言葉です。
たとえば「畳のへり」「テーブルのへり」などと同様に、「船のへり」も「船体の外縁部」=「端っこ」や「ふち」を表します。
船のへりが指しうる具体的な部位
実際に「船のへり」と言ったとき、それが指す可能性のある船の構造的な部位はいくつかあります。
ブルワーク(Bulwark)
- 船の甲板の端にある、人の落下防止のための壁状の構造です。
- 小型船や漁船などではこの部分が「へり」として認識されやすいです。
- いわば「柵のような役割」を果たします。
ガンネル(Gunwale)
- 船体の上端の外側の縁取り部分。
- 船の「側面と甲板のつなぎ目」のような位置にあり、船体を構造的に補強する部分でもあります。
- 英語の「Gunwale(ガンネル)」は、「gun + wale(梁)」が語源で、昔の船の大砲の載る辺りを指しました。
- 現代では、船の上のふち、へりに当たる場所です。
船べり(舟べり)
- 日本語の伝統的な言い方で、船の側面の上端部、すなわち「外側のへり」のことです。
- 船に乗るときに「船べりに腰かける」とか「船べりから釣り糸を垂らす」といった使い方をされます。
- これは「ガンネル」や「ブルワーク」に近いイメージです。
誤解されやすい部分
「船のへり」は厳密な部位を示す専門用語というよりは、文脈によって意味が微妙に変わる日常語です。
そのため、以下のような注意が必要です。
文脈 | 「へり」が意味する可能性 |
---|---|
船の外に出そう・落ちそう | 船の縁(ブルワークやガンネル) |
船に乗る・降りる場所 | 船側の甲板の端や接岸部 |
観光船の説明など | 安全柵のある外周部分 |
まとめ
「船のへり」とは、基本的に船体の上部の端、ふち、または外縁部分を指す言葉で、専門的には以下のいずれかになります。
- ガンネル:船体と甲板の境目、外縁。
- ブルワーク:人の落下を防ぐ柵のような構造。
- 船べり(舟べり):日本語表現での「縁」「ふち」にあたる部位。
以上、船のへりとはどこを表すのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。