カヌーのパドルの漕ぎ方について、基本から応用まで詳しく解説します。
初心者にもわかりやすいように順序立てて説明しますので、安心してお読みください。
なお、ここではシングルブレード・パドル(片方だけにブレードが付いているカヌー用パドル)を前提にしています。
ダブルブレード・パドルは主にカヤックで使われます。
目次
パドルの基本構造と持ち方
パドルの構造
- グリップ(握り手):T字型や丸型で、上側の手で握ります。
- シャフト(柄):両手で持つ棒の部分。
- ブレード(羽):水をとらえる部分。水中に入れるのはこの部分。
正しい持ち方
- 上側の手(トップハンド):グリップをしっかり握ります。利き手でなくてもOK。
- 下側の手(ボトムハンド):シャフトの真ん中~下あたりを握ります。肩幅より少し広めに構えると安定。
パドルの基本動作(フォワードストローク)
目的:まっすぐ前に進むための基本ストロークです
フォワードストロークの流れ
- キャッチ(水に入れる)
- ブレードをカヌーの前方にまっすぐ差し込みます。
- このとき、腕だけでなく体を前傾させてブレードを遠くに入れるのがポイント。
- パワーフェーズ(漕ぐ)
- ブレードを自分の腰の位置まで引き寄せるように漕ぎます。
- 腕だけでなく体幹(腹筋や背筋)を使って引くと力強くなります。
- リリース(水から抜く)
- 腰の横まで来たら、素早くブレードを水から抜きます。
- ブレードが後ろに行き過ぎるとカヌーが曲がる原因になります。
- リカバリー(戻す)
- パドルを水面上で前方に戻し、次のストロークへ。
ポイント
- ストロークの長さは「遠くに入れて、腰までで終える」が鉄則。
- 身体の軸を意識して左右バランスよく漕ぐ。
左右のバランスとまっすぐ進むための工夫
カヌーは基本的にパドルが片側にしかないため、同じ側だけで漕ぐと曲がってしまいます。
以下の方法で修正します。
方法①:左右交互に漕ぐ(トラディショナルな方法)
- 5回漕いだら反対側に持ち替える、を繰り返す。
- ただし持ち替えが多くなるので少し慣れが必要。
方法②:Jストローク(J字ストローク)
- フォワードストロークの終わりに、手首をひねってパドルを外側に押し出す。
- J字のような軌道になり、進路が真っすぐに修正される。
- 特に後部席(スターン)に乗る人に必要な技術。
応用テクニック(方向転換など)
スウィープストローク(旋回用)
- カヌーを回転させたいときに使います。
- パドルをできるだけ前から円を描くように外側へ引き、後方まで大きく漕ぐ。
リバースストローク(バック)
- 後ろに進みたいとき。
- フォワードの逆。パドルを腰あたりに入れて、前方へ押し出す。
ドローストローク(横移動)
- カヌーを横に動かしたいとき。
- パドルを横に伸ばし、水をカヌーの方に引き寄せるように漕ぐ。
乗る位置による役割分担(タンデムカヌーの場合)
- フロント(前席):基本的には推進力担当。まっすぐ進めるために左右バランスよく漕ぐ。
- スターン(後席):舵取り担当。Jストロークやスウィープで方向を制御。
- 息を合わせるために、リズムやストロークの長さを揃えることが大切です。
効率よく漕ぐための体の使い方
- 腕力ではなく体幹で漕ぐ:パドルを引くのではなく、体をねじる(ツイスト)ことで力を伝える。
- 視線は前方へ:水面を見るとバランスが崩れやすい。目的地や正面を見ることで安定性が向上。
- リズムを保つ:一定のリズムで漕ぐことで体力を温存できる。
よくある初心者のミスとその対策
ミス内容 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
カヌーが曲がってしまう | パドルの軌道が偏っている | Jストロークを使う/左右を交互に漕ぐ |
パドルが重く感じる | 腕だけで漕いでいる | 体全体を使って漕ぐ |
パドルが水を跳ねる | ブレードが斜めに入っている | 水面に対して垂直にブレードを入れる |
手が疲れる | グリップを強く握りすぎ | 柔らかく、リラックスして握る |
まとめ
- まずはフォーム重視で、力を入れすぎない
- 体幹を使って、長時間でも疲れにくい漕ぎ方を意識する
- Jストロークを覚えると、カヌー操作の幅が広がる
- ペアで漕ぐ場合は息を合わせることが重要
- 練習あるのみ。最初は真っ直ぐ進むだけでも大成功!
以上、カヌーのパドルの漕ぎ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。