「ゴンドラを漕ぐ人」は、ゴンドリエーレ(Gondoliere)と呼ばれます。
これはイタリア語での呼称で、複数形はゴンドリエーリ(Gondolieri)です。
日本語ではしばしば「ゴンドラ漕ぎ」「ゴンドラの船頭」などとも表現されますが、正式には「ゴンドリエーレ」が最も適切な呼び方です。
目次
ゴンドリエーレとは?
ゴンドリエーレは、イタリア・ヴェネツィアを象徴する存在で、細長く平底のボート「ゴンドラ」を漕いで観光客や地元の人を運ぶ職業の人です。
観光用としてのイメージが強いですが、もともとはヴェネツィアの交通手段の一つとして市民生活を支えてきた重要な職業です。
ゴンドリエーレになるための条件
ゴンドリエーレは単なる「ボート漕ぎ」ではなく、国家資格に近い専門職として認識されています。
以下のような条件を満たさなければなりません。
資格と訓練
- 公式の訓練プログラムに参加(数年かかる)
- 操縦技術、航路知識、安全管理の習得
- 歴史、語学、マナーの教育(特に観光客向け)
- 最終的に 厳しい試験(筆記と実技)に合格する必要あり
家族経由の伝統
ゴンドリエーレはしばしば「家業」として世襲されてきた歴史があり、何世代にもわたって続けている家系も多くあります。
ゴンドリエーレの特徴的な服装
ゴンドリエーレは、以下のような独特の服装でも知られています。
- ボーダー柄のシャツ(白×黒や白×赤)
- 麦わら帽子(黒いリボン付き)
- 黒いズボン
- 寒い季節にはセーターやジャケット
このスタイルは、ヴェネツィアの風景と非常によくマッチしており、観光ポスターなどでも定番のビジュアルです。
ゴンドリエーレの漕ぎ方の特徴
- ゴンドラは非対称の形状をしており、片側にだけオールを使って漕ぐという独特のスタイルです。
- 舵の代わりにオールでバランスを取りながら方向を調整します。
- 運河が狭くて曲がりくねっているため、高度な操縦技術が求められます。
女性のゴンドリエーレもいる?
かつては完全に男性の職業とされていましたが、女性の船漕ぎは、ゴンドリエーラといいます。
2009年には、ジョルジア・ボスコロ(Giorgia Boscolo)さんが初の女性ゴンドリエーレとして認可され、話題になりました。
観光とゴンドリエーレの今
- 今日では、ゴンドラの多くは観光用として運行されています。
- 一方で、地元住民向けに短距離を横断する「トラゲット(Traghetto)」というタイプのゴンドラもあり、これは公共交通の一部とされています。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
呼び名 | ゴンドリエーレ(Gondoliere) |
国 | イタリア(特にヴェネツィア) |
必要な資格 | 訓練、試験、操縦技術、語学、歴史の知識 |
特徴 | 片側で漕ぐ、非対称の船、独特な服装 |
現在の役割 | 観光、伝統維持、限定的な市民交通 |
以上、ゴンドラを漕ぐ人をなんというのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。