フェリーのエンジンについて

2025年2月19日

フェリーのエンジンは、船の種類や用途によって異なりますが、一般的にディーゼルエンジンが主流です。

ここでは、フェリーのエンジンについて詳しく説明していきます。

フェリーのエンジンの種類

フェリーのエンジンは、基本的に以下の3種類に分類されます。

最も一般的なエンジンで、燃費が良く、耐久性が高いため、多くのフェリーで採用されています。

特長
- 燃費が良く、長距離航行に向いている
- メンテナンスしやすく、信頼性が高い
- 燃料は軽油 (Marine Diesel Oil, MDO) または重油 (Heavy Fuel Oil, HFO) を使用
代表的なメーカー
- MAN Energy Solutions (ドイツ)
- Wärtsilä (ヴァルチラ, フィンランド)
- Caterpillar (アメリカ)
- Rolls-Royce (イギリス)
エンジンの種類
- 中速ディーゼルエンジン (Medium-speed Diesel Engine): 回転数1,000～2,000rpm程度で、フェリーや貨物船で使用される
- 低速ディーゼルエンジン (Low-speed Diesel Engine): 回転数100～900rpm程度で、大型フェリーや貨物船に使われる

近年、環境負荷の低いエンジンとして注目されているのがLNGエンジンです。

LNG（液化天然ガス）を燃料とし、CO₂排出量が少なく、硫黄酸化物 (SOx) や窒素酸化物 (NOx) の排出も抑えられます。

特長
- CO₂排出量が 約20～30%削減
- 硫黄酸化物 (SOx) や窒素酸化物 (NOx) の排出が少ない
- LNGタンクの設置スペースが必要で、初期コストが高い
導入事例
- 「さんふらわあさっぽろ」(日本)
- 「Viking Grace」(フィンランド)

近年は電動化の流れが進み、一部のフェリーではハイブリッドエンジンや電動フェリーも登場しています。

エンジンと推進装置の組み合わせも重要です。

フェリーでは、以下のような推進方式が採用されます。

フェリー業界では、環境規制の強化により低排出ガスエンジンの採用が進んでいます。

特に水素燃料フェリーやアンモニアエンジンの開発が進んでおり、今後さらに環境に優しいフェリーが登場する可能性があります。

実際のフェリーのエンジン例をいくつか紹介します。

船名	船会社	エンジンタイプ	燃料
さんふらわあさっぽろ	フェリーさんふらわあ	LNGエンジン	LNG
クルーズフェリー「STENA EDDA」	Stena Line (スウェーデン)	ディーゼル	重油
Color Hybrid	Color Line (ノルウェー)	ハイブリッドエンジン	ディーゼル+バッテリー
e-Ferry Ellen	デンマーク	完全電動エンジン	電気