ジェットスキーの燃料について

ジェットスキー(PWC/パーソナルウォータークラフト)の燃料は、エンジン性能や耐久性、さらには安全性にも直結する重要な要素です。

一見すると自動車と同じガソリンを使うだけに思えますが、エンジン仕様・使用環境(水上)・保管条件といった特有の事情があり、正しい理解が欠かせません。

ここでは、ジェットスキーの燃料について、現在主流となっている考え方を正確に整理して解説します。

目次

ジェットスキーの燃料は「ガソリン」が基本

現在一般に流通しているジェットスキーの燃料は、無鉛ガソリンです。

ディーゼル燃料や混合燃料(自動混合を除く)を使用することはありません。

ただし、すべてのジェットスキーが同じガソリンで良いわけではなく、エンジン設計により指定オクタン価が異なります

レギュラーガソリンとハイオクの違い

ガソリンの違いは主に「オクタン価(耐ノッキング性)」です。

  • レギュラーガソリン
    比較的圧縮比が低〜中程度のエンジン向け
  • ハイオクガソリン(プレミアム)
    高圧縮・高出力エンジン向け

多くのジェットスキーではレギュラーガソリンで問題ありませんが、高出力モデル(スーパーチャージャー搭載、300馬力級など)ではハイオク指定となる場合があります。

重要なのは、「どちらでも良い」と自己判断しないことです。

必ず取扱説明書(オーナーズマニュアル)に記載された燃料指定を守る必要があります

指定より低いオクタン価の燃料を使用すると、ノッキングの発生、出力低下、最悪の場合エンジン損傷につながる恐れがあります。

2ストロークと4ストロークの燃料の違い

2ストロークエンジン

主に旧型モデルや過去の競技用途で採用されていました。

  • 燃料:ガソリン+エンジンオイル
  • オイルは自動供給、または事前混合(プレミックス)

特徴としては軽量で加速が鋭い反面、燃費が悪く排ガスが多いという欠点があります。

現在、一般向けの新艇としてはほぼ流通していません。

4ストロークエンジン(現行主流)

現在販売されている一般向けジェットスキーの主流は4ストロークエンジンです。

  • 燃料:ガソリンのみ
  • エンジンオイルは自動車と同様に別系統で管理

燃費、静粛性、耐久性、環境性能に優れ、メンテナンス性も高いのが特徴です。

エタノール混合ガソリン(E10など)の注意点

近年のガソリンにはエタノール(アルコール)が混合されているものがあります。

一般的に、ジェットスキーではエタノール10%以下(E10以下)のガソリンが許容範囲とされています。

一方で、

  • E15(15%)
  • E85(85%)

といった高濃度エタノール燃料は、燃料系統の腐食、ゴム・樹脂部品の劣化、水分吸収によるトラブルを招くため、使用は避けるべきとされています。

特にジェットスキーは水辺で使用されるため、エタノールが持つ「吸湿性」によるトラブルが起きやすくなります。

燃費と燃料タンク容量の実際

ジェットスキーは高出力エンジンを搭載しており、燃費は自動車よりも悪くなりがちです。

燃料タンク容量の目安

  • 小型モデル:約30〜40L
  • 中〜大型モデル:約50〜70L

燃費の傾向

  • 巡航走行:おおよそ4〜6km/L
  • 高速走行・全開走行:1〜2km/L程度まで悪化することもある

走行スタイル、積載重量、波の状況によって消費量は大きく変わるため、航続距離には常に余裕を持った計画が必要です。

海水使用と燃料管理の重要性

ジェットスキーは海水で使用されるケースが多く、燃料管理には特有の注意点があります。

  • 温度差による燃料タンク内の結露
  • 水分混入による燃焼不良
  • インジェクターや燃料ポンプの不具合

これらを防ぐため、日常使用後や保管前の燃料管理が重要になります。

長期保管(オフシーズン)時の燃料対策

長期間使用しない場合、ガソリンは保管条件によって品質が低下する可能性があります。

一般的に推奨される対策は以下の通りです。

  • 燃料安定剤(スタビライザー)を使用する
  • エンジンを短時間回して、添加剤を燃料系全体に循環させる
  • 取扱説明書に記載された保管手順を守る

燃料を「満タンにするか空にするか」については機種差があるため、必ずメーカー指定の方法を優先してください。

給油時の基本的な注意点

  • 給油はエンジン停止状態で行う
  • 火気・喫煙は厳禁
  • こぼれた燃料は確実に拭き取る
  • 環境保護および安全の観点から、マリーナや地域のルールに従う

水面への燃料流出は環境負荷が大きく、トラブルの原因にもなります。

メーカー指定を最優先にすることが絶対条件

ジェットスキーは、

  • ヤマハ発動機
  • カワサキモータース
  • BRP(Sea-Doo)

など各メーカー・各モデルごとに、燃料指定や注意点が細かく異なります。

燃料の種類・オクタン価・エタノール許容範囲・保管方法については、必ず取扱説明書の記載を基準にしてください。

指定外の燃料使用は、故障や保証対象外となる原因にもなります。

まとめ

  • ジェットスキーの燃料は基本的に無鉛ガソリン
  • レギュラーかハイオクかはモデルごとの指定を必ず守る
  • 現行の一般向け新艇は4ストロークが主流
  • エタノールはE10以下が目安、高濃度燃料は避ける
  • 燃費は悪いため、航続距離に余裕を持つ
  • 長期保管では燃料安定剤とメーカー指定手順が重要

以上、ジェットスキーの燃料についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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