船の部屋(船室)には、用途や位置、乗員・乗客の役割に応じてさまざまな名称があります。
それぞれの部屋は、船の運航、安全、生活、娯楽などの機能に特化しており、特に大型の商船や軍艦、客船では多様な部屋が存在します。
以下に、代表的な部屋の名称とその役割について詳しく解説します。
目次
操船・航海に関する部屋
ブリッジ(Bridge / 操舵室)
- 船の「頭脳」にあたる場所で、船長や航海士が航行の指揮をとる場所。
- レーダー、GPS、羅針儀、通信機器などが集中して設置されています。
- ここから船の進路やスピード、操縦全体を管理します。
チャートルーム(Chart Room / 海図室)
- 航路図(海図)を保管・作成する部屋。ブリッジの近くにあります。
- 航海士が航路の計画を立てたり、現在地を確認したりするための部屋。
航海士室(Officer’s Room)
- 航海士が休憩・待機するための個室。階級によって装備や広さが異なります。
エンジン・機械関係の部屋
エンジンルーム(Engine Room / 機関室)
- 主機関(エンジン)、発電機、ポンプなど船の動力に関わる設備が集まる場所。
- 非常に高温・高騒音なため、専門の機関士(エンジニア)が常駐しています。
コントロールルーム(Control Room)
- エンジンルームの稼働状況を監視・制御する部屋。パネルやモニターが整備されています。
ボイラールーム(Boiler Room)
- 蒸気船や一部の大型船にある、ボイラー設備が設置された部屋。
居住・生活空間
キャビン(Cabin / 船室)
- 船員や乗客の個室。階級や船のグレードによって「一等船室」「二等船室」などに分かれます。
- 客船では「ステートルーム(State Room)」とも呼ばれ、豪華な設備を持つものも。
サロン(Salon / 社交室)
- 乗客や高位の船員の交流・休憩のための空間。客船では読書室、娯楽室も兼ねることがあります。
メスルーム(Mess Room / 食堂)
- 船員や乗客が食事をとるための部屋。
- 船員用の「クルーメス(Crew Mess)」、士官用の「オフィサーズメス(Officers’ Mess)」などに分かれることもあります。
ギャレー(Galley / 厨房)
- 食事を調理するためのキッチン。狭いスペースでも効率的に動けるよう工夫されている。
クルールーム(Crew Room)
- 下士官や一般船員が過ごす共有スペースや休憩室。
衛生・医療関連の部屋
シャワールーム / 洗面所(Shower Room / Lavatory)
- 船員や乗客のための衛生設備。
シックベイ(Sick Bay / 医務室)
- 医師や看護師が常駐する医療用の部屋。大型船や軍艦に設置されています。
- 応急処置から軽度の診察まで対応。
貨物・物資管理用の部屋
ホールド(Hold / 貨物倉)
- 貨物船のメインとなる積載スペース。コンテナやバルク貨物を積む場所。
ストアールーム(Storeroom)
- 食料や整備部品、道具などを保管するための部屋。
冷蔵庫・冷凍庫(Refrigerated Room / Freezer)
- 生鮮食品や冷凍食品を保管する冷蔵設備付きの部屋。
船の運用・管理に関するその他の部屋
キャプテンルーム(Captain’s Cabin)
- 船長専用の個室。執務机、ベッド、専用バスルームなどがある豪華な造りが一般的。
ラジオルーム(Radio Room / 無線室)
- 通信機器が設置され、他船や陸地との連絡を行う部屋。現代ではブリッジに統合されることも多い。
バラストタンク(Ballast Tank)
- 船体のバランスを保つために海水を出し入れするタンク。厳密には部屋ではないが、内部空間として扱われることも。
客船特有の部屋(クルーズ船など)
シアタールーム(Theater Room)
- 舞台ショーや映画が行われる空間。
スパ / サウナ / ジム
- 乗客のリラクゼーション・健康のために設けられた施設。
ブティック / ショップ
- 船内で買い物ができるスペース。
まとめ
分類 | 部屋名の例 |
---|---|
操船関連 | ブリッジ、海図室、航海士室 |
機関関連 | エンジンルーム、制御室、ボイラールーム |
生活関連 | キャビン、サロン、食堂、厨房、シャワールーム、医務室 |
貨物関連 | ホールド、ストアールーム、冷蔵庫 |
特殊用途 | キャプテンルーム、無線室、バラストタンク |
客船施設 | 劇場、ジム、スパ、ブティック |
以上、船の部屋の名称についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。