モーターボートとプレジャーボートは、どちらもレジャーや移動のために使用される小型の船舶ですが、その定義や用途、構造にはいくつかの明確な違いがあります。
以下では、それぞれの特徴を丁寧に説明しながら、両者の違いを詳しく解説していきます。
目次
モーターボートとは?
定義
モーターボートは、エンジン(モーター)によって推進される小型の船舶の総称です。
帆(セイル)を使わず、動力のみで航行する点が特徴で、プレジャー用途から業務用まで幅広い目的で使用されます。
主な特徴
- 推進力:内燃機関(ガソリン・ディーゼル)や電動モーターによる動力。
- サイズ:比較的小型(全長3m〜10m程度が一般的)。
- 速度:高出力モーターを搭載すれば高速航行が可能。
- 使用目的:レース、フィッシング、通勤、観光用など多目的。
タイプの例
- スピードボート(高速走行に特化)
- フィッシングボート(釣り向けに装備がある)
- ランナバウト(短距離移動向けの多目的小型艇)
プレジャーボートとは?
定義
プレジャーボート(Pleasure Boat)は、「娯楽」や「趣味」を目的とした船舶の総称です。
つまり「プレジャーボート」という言葉は、船の構造ではなく使用目的に基づくカテゴリといえます。
主な特徴
- 使用目的:レジャー(釣り、クルージング、マリンスポーツなど)に特化。
- 多様性:モーターボート、ヨット、水上バイク、カヌー、カタマランなどもプレジャーボートに含まれる。
- 装備:レジャーのための快適装備が充実(キャビン、トイレ、キッチンなど)。
タイプの例
- クルーザー(居住性が高い)
- セーリングヨット(帆走も可能なプレジャー艇)
- キャビンクルーザー(小型でも寝泊まり可能)
- ウェイクボート(水上スポーツ専用)
両者の違いを整理すると?
項目 | モーターボート | プレジャーボート |
---|---|---|
定義の軸 | 推進方式(モーター) | 使用目的(娯楽) |
範囲 | 動力船すべて(仕事用も含む) | レジャー用途の船すべて |
含まれるタイプ | プレジャーボートの一部 | モーターボートを含む多様な船 |
目的 | 多目的(業務〜娯楽) | 趣味・遊び専用 |
例 | スピードボート、巡視艇など | ヨット、キャビンクルーザー、ジェットスキーなど |
装備 | 実用重視(速度、操作性) | 快適性重視(内装、居住性) |
まとめ
一言でまとめると、モーターボートは「構造の分類」、プレジャーボートは「用途の分類」です。
したがって、「モーターボートはプレジャーボートの一種」であることが多いですが、すべてのモーターボートがプレジャーボートであるとは限りません。
たとえば、港湾警備に使われるモーターボートは明らかにプレジャー目的ではありません。
また、プレジャーボートには動力を持たない手漕ぎボートや帆船も含まれるため、動力船=モーターボートとは限らない点も注意が必要です。
補足:法律上の違いについて(日本の場合)
日本では、「小型船舶登録」や「船舶免許」によって使い方が厳格に分類されます。
たとえば、
- プレジャーボートは「遊漁船」や「旅客船」として営業利用することはできません。
- 登録の際に「用途欄」に“プレジャー”と記載されている場合は商用使用が禁止されます。
逆に、モーターボートの中には「業務船」として登録され、営業使用可能なタイプも存在します。
以上、モーターボートとプレジャーボートの違いについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。