船の「LOA」とは「Length Overall(全長)」の略で、船体の最も先端から最も後端までの全長を意味します。
これは、マリーナや港湾の管理、船舶の設計、登録、航行制限、係留料金などに関係する非常に重要な寸法の一つです。
目次
LOAとは何か
LOA(Length Overall / 全長)とは
- 船の最も前(通常は船首のバウスプリットなど)から、最も後ろ(通常は船尾のラダーやヒールなど)までの物理的な全体の長さ。
- 船が完全に真っすぐな状態で測定されるのが基本。
- 船体だけでなく、突き出たパーツ(バウスプリット、ステム、プラットフォームなど)も含むことが多い。
似た用語との違い
用語 | 説明 | 含まれる範囲 |
---|---|---|
LOA(Length Overall) | 船全体の物理的な最長寸法。 | バウスプリット、ステム、スイムプラットフォーム等すべて含む |
LWL(Length at Waterline) | 喫水線に沿った長さ(実際に水に接している長さ) | 航行性能やスピード計算に使う |
LBP(Length Between Perpendiculars) | 船体設計での基準長。前部垂線〜後部垂線の間の長さ | 主に商船・設計分野で使う |
LOAが重要になる場面
- マリーナの係留契約や料金計算
LOAによって1フィート単位や1メートル単位で係留費用が変わるため、余計な装備を含むと料金が高くなることもあります。 - ドックのサイズ制限
港に出入りできる船のサイズが「LOAで○○メートル以内」と指定されることが多いです。 - 保険や登録
保険料や船舶登録の分類もLOAで区分されることがあり、特にヨットやプレジャーボートの分野では一般的。 - 輸送や陸送時の規制
道路輸送する場合、LOAによってトレーラーの種類や許可が必要になるケースもあります。
LOAの現実的な影響
たとえば、LOAが10.5メートルのヨットがあるとします。
この場合
- マリーナでは「11m級」として扱われ、10m級より高い料金がかかる可能性がある。
- 陸送の際、10m以下と10m超で許可の取り方が違うことがある。
- バウスプリット(先端の突き出し)が長いと、見かけより大きく扱われる可能性がある。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
用語の意味 | LOA = Length Overall(全長) |
測定範囲 | 船の前端から後端まで、突き出した部分も含むことが多い |
用途 | 係留、港の制限、保険、登録、船の分類など |
注意点 | 同じ「全長」でもLWLやLBPとは意味が異なる |
以上、船のLOAについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。